SEAnews 2000-04-24 ArtNo.22260

【ニューデリー】インド政府は、今月末に予定されるインド証券取引局(SEBI)代表との会議の席上、外国企業に国内証取上場を認めるよう求めるＳＥＢＩの提案を拒絶する見通しだ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが20日報じたところによれば、ＳＥＢＩは近隣諸国の複数の企業が、国内証取への上場を希望しているとし、インド国内に営業拠点を持たぬ外国企業にも国内証取上場を認めるよう提案してきた。スリランカの国営電話会社がＳＥＢＩに接触、最初にこの種の希望を表明、ＳＥＢＩは直ちに同提案の趣旨を大蔵省に報告したとされる。
ＳＥＢＩは、多数の国内企業が海外証取に上場している現状から当然、インド政府も近隣諸国の企業のこうした要望を認めるべきだとの立場をとっている。
これに対して大蔵省は、「外国企業が国内資本市場でルピー・ファンドを調達し、それを海外に持ち出すとするなら、インドは如何なる利益も期待できない。国内で調達した資金を海外に持ち出さないことを条件にのみ、この種の提案を受け入れる」との姿勢を示している。
現行法の下、インド居住者は外貨建ての株式を購入することができない。国内通貨と外貨の完全な兌換が認められていない以上、外国企業は米ドルにリンクした株式をインド国内で発行することはできない。
ＳＥＢＩは、今回の会議の席上また、海外で株式を発行する地元企業に同時にインド国内でも地元投資家のために株式を発行することを義務付けるよう提案する見通しだが、これも政府により否決されるものと見られる。ＳＥＢＩ及びマーチャント・バンカーらはインド市場には良質な株式が欠乏していると見ている。目下外国機関投資家は僅か40銘柄の取引を認められているに過ぎないと言う。