2000-04-10 ArtNo.22120
◆製薬のShasun、調剤領域進出目指しイーストマンと提携
【チェンナイ】量産薬品やその原料の製造を手掛けるShasun Chemicals and Drugs Ltdは最近の米国企業Eastman Chemical Company(ECC)との提携を梃子に、調剤領域への進出を目指している。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン/インディアン・エクスプレスが7日伝えたところによれば、ECC傘下のEastman Fine Chemicals(EFC)との提携を通じ、Shasunは調剤用補形薬の製造技術を手にすることができる。EFCは錠剤の表面をカバーし胃酸による腐蝕を防止する腸溶性ポリマー“hydroxypropyl-methyl cellulose pthalate (HP-MCP)”の製造技術を提供する。ShasunはEFCにワン・タイム・フィーを支払い同技術を買い取る。
ShasunのS. Abhay Kumar重役(共同MD)によると同社は3~4ヶ月で調剤ビジネスに進出するが、EFCとの提携はその先触れと言える。
世界の主要なイブプロフェン(抗炎症剤)メーカー(世界市場シェア22%)に数えられるShasunは、胃酸抑制性抗潰瘍剤Ranitidineや、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・急性胃炎・慢性胃炎の治療薬Nizatidineの製造も手掛けている。
ECCのAndrew Clark課長(医薬品国際ビジネス担当)は、Shasunとの提携の必然性に関して、「ECCは米国においてHP-MCP関連施設に投資し、経済性のある製品を製造する術をもとない」、「今回の技術供与はShasunとの長期的提携の第1歩」と指摘、将来、HPベースの製品や薬品原料の製造技術をさらにShasunに提供する可能性を示唆した。
業界筋によると、世界の腸溶性ポリマー市場は目下、信越化学によりほとんど100%支配されている。世界需要は400~500トン、インド国内需要は約60トン、キロ当たり価格は40~45米ドル。Shasunは約500万ルピー(US$11.5万)を投じ、CuddaloreもしくはPondicherryに工場を建設、年間100~200トンを製造する計画だ。ECCはその主要顧客にShasunの製品を紹介すると言う。
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