2000-03-06 ArtNo.21752
◆中央銀行の権能強化/優遇税制は段階的に撤廃:蔵相
【ニューデリー】インド政府が新年度予算案に国民年金(general provident fund)金利のカットや利子収入に対する課税免除を盛り込んだ目的は、中央銀行(RBI)が貸出金利を引き下げやすい環境を醸成することにある。金利政策の如何なる変更も今や中央銀行の一存に委ねられている。
インド商工会議所連盟(FICCI)が1日、催した新年度予算案に関するセミナーの席上、Yashwant Sinha蔵相が語ったところによると、中央銀行の裁量権を一層強化する狙いからRBI法の修正も提案されている。
一方、新年度予算案では、企業の輸出収益の20%に課税することが提案されたが、輸出加工区(EPZ)やソフトウェア・テクノロジー・パーク(STP)が享受している様々な輸出税優遇措置は維持される。当該特典は2000年4月以前にEPZ/STP内に設けられたユニットにのみ適応される。ちなみに現在STP/EPZは最長10年のタックス・ホリデーを享受している。
インディアン・エクスプレス、ザ・ヒンドゥー、ヒンドゥー・ビジネス・ライン等が2日報じたところによると、席上シンハ蔵相は、「自由化/開放政策により国内産業が熾烈な国際競争に晒される中、輸出企業にのみ特別待遇を認めることは最早できない」と、輸出奨励税制を段階的に撤廃する政策の正当性を強調する一方、景気浮揚のムードを高めるため金利を2%ポイント・カットすべきだとする業界の要求に対しては、「ムードなど、あてにすることはできない」と一蹴した。
同相によれば、最低選択税(MAT)は、税制優遇措置や法の抜け穴を利用し、納税義務を免れている企業に対するもので、帳簿上の利益を計上している企業に7.5%の最低限度の税を課すことを目指したものである。既に38.5%の最低法人税が課されていることから、企業に一層の納税義務を課すことは国内経済に寄与しない。このため法人税率に手を付けることはできない。とすれば、高額所得に追加税を課し、納税義務の平等な負担を求める他ない。
配当税(TDD)の100%アップは、30%の所得税が課される富める階層が、株式市場に投資する際に適応される。企業はこの種の税務を株主に転嫁する方法を心得ていることから、引き上げの影響は、それほど深刻ではない。
誰にも受け入れやすいオプションは最早見あたらず、より現実的でより困難な道を選択する他ない。仮に国防予算を現行年度のレベルにとどめていたなら、財政赤字は0.6%縮小したはずと言う。
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