2000-01-31 ArtNo.21714
◆<馬>トゥナガ、円高で第1四半期にM$7億為替差損
【クアラルンプル】マレーシアの電力会社Tenaga Nasional Bhd(TNB)は、円高に祟られ1999年11月期第1四半期に、1998/99年度通年の6億1350万Mドルを上回る7億1180万Mドルの為替差損を記録した。
同期に円の対米ドル相場は上昇、1米ドル=3.80Mドルの固定相場制を採用するMドルに対しても、円は前年同期に比べ7.4%強化した。TNBの債務の32%は円建てとなっている。
TNBの第1四半期の営業利益は4億9030万Mドルと、前年上半期の3億7100万Mドルを上回った(マレーシア企業は1999年から四半期ごとの業績報告を開始したため前年同期の数字は明らかでない)。しかし為替差損が祟り特別項目を加える以前の税引き後に1億8070万Mドルの損失を計上した。
アナリストらは税引き段階の損失は予想されたことで、今年のTNBの成長見通しは損なわれていないとしている。電力の消費と経済の成長には、極めて密接な相関関係があるが、マレーシアの国内総生産(GDP)成長率は昨年の4.3%から今年は5.7%に加速するものと予想されている。Barra Global Estimatesに掲載された2000年8月期通年の純益予想は平均10億4000万Mドルと、前年の7億7350万Mドルを上回っている。アナリストらはマレーシア経済の復調と、一部発電所権益の売却で、2000年のTNBのボトム・ラインが顕著に改善するものと予想している。(BT,LZ:1/29)
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