2000-01-18 ArtNo.21574
◆<星>Infineon、チャータードとウエハー製造発注交渉
【シンガポール】ドイツのチップ・メーカー、Infineon Technologies(旧社名Siemens Semiconductors)は目下、同社製品の5%の製造を外部のファンドリー(CADデータに基づきICチップ製造プロセスだけを担当する会社)に委ねているが、向こう2~3年間には20~30%に拡大する計画で、目下シンガポールのチャータード・セミコンダクター・マニュファクチュアリング(CSM)とも関係交渉を進めている。
インフィニオン・テクノロジーズのウルリッヒ・シューマッハー(Ulrich Schumacher)社長兼CEOがこのほど語ったところによると、アウトソーシングはこれまで台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Co (TSMC)とUnited Microelectronics Corpを利用してきたが、目下シンガポールのCSMとの交渉を進めている。同社としてはlithography領域に関しては台湾ファンドリーを用いるが、特殊なファブリケーション・プロセスに関してはシンガポール企業を選ぶ。
シンガポールが専用技術に照準を合わせるのは、正しい方向と言え、恐らくシンガポールのファンドリー・ビジネスは遠からず台湾と肩を並べるものと見られる。 インフィニオンは、ドイツ、フランス、米国、台湾に7工場を擁し、依然として余剰設備能力を抱えているため、向こう2~3年内にアジアにウエハー工場を設ける計画はないが、研究開発(R&D)等の領域でアジア企業と提携することを計画している。確かに別に12インチ・ウエハー工場を設ける計画だが、最初の工場はより成熟した市場に建設する。
シンガポールのKallangに設けられた同社の社屋にはアジア太平洋本部オフィスの他、同社にとっては主要なウエハー組み立て/検査センターの1つが設けられている。従業員1570人の同工場とバタム島の衛星工場では、同社製ロジック・チップの90%が製造/検査されている。ロジック・チップはインフィニオンの営業額の60%を占めることから、同社の半ば以上の組み立て/検査業務がシンガポールで行われていることになる。またシンガポールではインフィニオンの8ビットと16ビットのマイクロプロセッサーの設計も手掛けられている。
チップ産業の目下の上昇基調は3年間持続する見通しで、クリスマス後メモリ・チップの価格は若干軟化しているが、今年下半期には不足を来す見通しだ。
インフィニオン・アジア太平洋地域の1999年9月期年商は前年比9%増の8億2700万ユーロ(S$14億)、グループ全体の売上は42億ユーロで、6900万ユーロの純益を計上したと言う。(BT:1/17)
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