2000-01-17 ArtNo.21558
◆<星>IPC、インフォマテック支援下の債務再編案発表
【シンガポール】多額の負債を抱えた地元上場企業IPCコープは13日ドイツ企業Infomatecにより提案された救済策をベースにした再建計画を発表した。
IPCの再建計画は、最近やはり紙上を賑わしたゴールドトロンの債務再編案に酷似している。IPCの債権者はゴールドトロンの場合と同様、現金とIPCの株式を受け取る。ゴールドトロンの債権者らは既にペーパー・ゲインを享受しているが、IPCの債権者がオファーされたものはより好条件になっている。
先ず第1にゴールドトロンの債権者は債権1ドルにつき、12セントを現金で返済されたが、IPCの場合は1ドルにつき20セントになっている。
IPCの債権者はインフォマティクスがそのコール・オプションを実行すれば、IPC株をインフォマティクスに売却でき、売却価格は年を追って好条件になっている。第1年目は、最大20%のシェアを1株40Sセントで、更に40%を1株42Sセントで、2年目は20%を1株45Sセントで、さらに20%を1株47Sセントで、それぞれ買い取る。インフォマティクスがそのコール・オプションを全て実行すれば、同社は最終的にIPCに1億3000万Sドルを注入し、後者の24.9%のシェアを握ることになる。
総額2億Sドル以上の負債を抱えるIPCの以上の再編案は、ゴールドトロンの債務再編も引き受けたArthur AndersenのNicky Tan氏のガイダンスに基づくものだが、3億7500万Sドルの負債を抱えるゴールドトロンの債権者は3850万Sドルのペーパー・プロフィットが見込める再編案を受け入れた。このため観測筋は、IPCの債権者も一層好条件の再編案を受け入れるものと見ている。そうなれば、IPCはその債務から解放されるが、IPCの既存株主の権益は大幅に希薄化する。一時は10億Sドル以上の年商を実現したIPCは昨年は2億9540万Sドルの損失を計上している。(ST,BT,LZ:1/14)
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