2000-01-12 ArtNo.21522
◆<印度>電炉業界、存亡の危機に直面:SFAI常務理事
【ニューデリー】インド鉄鋼製造業者協会(SFAI)のM. S. Unninayar常務理事(ED)は10日、国内鉄鋼産業の中核を成す電炉業界は、政府が適切な措置を採らないなら、未曾有の危機に直面すると警鐘した。
それによると1998/99年度の電炉を通じた粗鋼生産は360万トンにとどまったが、これはプラントの閉鎖や低稼働率に伴うものである。
元々電炉は応用範囲が広く米国では鉄鋼生産の40%、スペインでは同50%が電炉に依存、インドでは特殊鋼の大部分が電炉で製造されている。
しかし電炉業界はコストに敏感で、屑鉄、海綿鉄等の原料コストが生産コストの60%を占める。したがってこうした低コストの原料を確保できるか否かが同業界の存亡を決することになるが、インド政府のこの点に対する理解は不足している。
業界全体の立場に立って言えば、輸入税はインドが置かれた経済状況とコンパチブルでなければならず、半製品に関してはなおさらである。スラブに対する輸入税は妥当なレベルにとどめられるべきで、ニッケル、燃料コークス等のキー・インプットには特例が認められてしかるべきである。また国内で製造されていない原料には如何なる輸入税も課されるべきではない。
しかし新年度予算案はこうした点に関して如何なる修正も加えられず国会を通過してしまった。しかも鋼材に対する消費税は15%から16%にかえって引き上げられたと言う。(THBL:1/11)
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