2000-01-07 ArtNo.21465
◆<星>SME21、高付加価値/ハイナリッジの中小企業育成
【シンガポール】シンガポール政府は5日、国内の10万社を超える中小企業(SME)を向こう10年間に知識集約化の波にも順応できる旺盛な活力と高い生産性を備えた企業に変身させる“SME21プラン”を発表した。
生産性標準局(PSB)が、民間業界/政府機関/労組等広範な領域の意見を採り入れ、立案したSME21は、1)革新性を備え高度成長する中小企業の培養、2)高い生産性を備えた中小企業部門の育成、3)知識志向型起業家精神の涵養の3点を目標として掲げている。
この日、SME21会議の開幕式を主宰したジョージ・ヨー通産相によると、同計画により2010年までに年商1000万Sドル以上の中小企業の数は現在の3倍の6000社に、Eコマース採用企業の数は現在の8000社から3万2000社に、それぞれ拡大、小売り部門の1人当たりの付加価値生産は現在の2万8000Sドルから5万6000Sドルにアップする。
こうした目標を達成するため、PSBは企業レベルでは、企業家と従業員の訓練を通じてマネージメントの向上を図るとともに、新技術や新ビジネス・モデルの採用を支援する。またメントール・プログラムの下、成功したビジネスマン、政治家、経験豊富な公務員、専門家、学術経験者をプールし、中小企業に適切なアドバイスを提供する。
部門レベルでは、フランチャイズやエコノミック・グルーピングを通じたパートナーシップや戦略提携を促進、中小企業のリージョナル化/グローバル化を支援する。
Eコマースを振興するとともに、ビジネス・エンジェル・ネットワーク等を通じ中小企業の資金アクセスを改善する。また中小企業奨学制度を設け、ローカル・タレントを育成、シンガポールを中小企業ハブとして販促する。
シンガポールの約10万社の中小企業は国内事業体の90%を占め、労働者の半ば以上を雇用しているが、シンガポールの付加価値生産に対する貢献は3分の1にとどまっている。
このため中小企業もグローバル化を受け入れ、国際競争に立ち向かい、外国の経験に学ばねばならないと言う。(ST,BT,LZ:1/6)
|