1999-12-15 ArtNo.21331
◆<星>E&E、プリント基板ビジネスをUS$5.16億で売却
【シンガポール】シンガポールの上場会社Elec & Eltek International(E&E)は13日、そのプリント基板(PCB)製造ビジネスを5億1600万米ドル、1株4.55米ドルで売却することで合意したと発表した。
E&E株のシンガポールにおける取引及び、香港における親会社の株式の取引は、この日停止されたが、最後の取引価格は4.50米ドルだった。
E&Eは潜在バイヤーの社名を明らかにしていないが、公共/民間企業に直接投資する未上場の証券会社で、E&Eの取締役やCEO、主要株主とは如何なる関係も持たないと説明している。またバイヤーには2000年7月31日までの間は独占的な購入権が認められており、同期日が事実上の取引のデッドラインになる。
もし同取引が実行されれば、E&Eは多額の現金を手にするが、何らビジネスを持たぬ会社になる。E&Eはこの点について、取引が実行された場合の将来の事業計画はまだ存在しないが、適当な時期に関係発表を行うとしている。
E&Eの帳簿資産は3億1090万Sドル、1株当たりにすると2.74Sドル(US$1.63)で、これは今回の4.55米ドルの売値を遙かに下回る。今回の取引ではE&Eの1億1300万Sドルの貿易債務も6400万Sドルの貿易債権もまとめて売却されるが、3200万Sドルの現金準備と5000万Sドル弱のローンが含まれるかどうかは定かでない。
E&Eの身売りは、電子契約製造業の地球的再編の一部と判断される。そこでは数十億の売り上げを有する大手業者のみが、実入りのいい契約を手に入れることができる。
先月末には、PCB及び携帯電話の契約製造を手掛けるFlextronics InternationalがライバルのDII Groupを24億米ドルで買収すると発表した。これによりフレクストロニクスは世界第4位のPCBメーカーになり、SolectronやSCI System等の世界的プレーヤーと差しで競争ができる。
E&Eの昨年の純益は5700万Sドル、営業額は3億8100万Sドルと、こうした生存競争に立ち向かうには、あまりにも小さ過ぎる。バイヤーはE&Eをそれ自身のPCBビジネスと合併させるか、台湾や米国のPCBメーカーに売り込むものと見られる。(BT,ST:12/14)
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