SEAnews 1999-12-14 ArtNo.21316

【シンガポール】シンガポールの地元小売業者“Mohamed Mustafa & Samsuddin”は、他社に先駆けＥコマースを導入したものの、クレジット・カードを巡るトラブルが続出、やむなくオンライン・ペイメントをストップした。
ムスタファのMustaq Ahmad重役(MD)によると、オンライン・ビジネスは奏功し、一時は月間100万Ｓドルの売り上げをマークしたが、その後クレジット・カード支払いに伴うトラブルが続出した。銀行は顧客がクレジット・カードによるオンライン支払いを行った事実を否定すれば、支払われた金額を顧客の口座に戻すが、注文に応じて出荷された品物は多くの場合戻らない。またこの種の詐欺行為は通常サイバーカフェを通じて行われるため、犯人を突き止めるのは難しい。このため同社は7月以来クレジット・カードによる支払い処理をストップし、小切手支払いに切り替えたが、それ以来1ヶ月の売り上げは数千ドルに激減したと言う。
Visa International及びMasterCardスポークスマンは、この点に関して、オンライン・トレーディングに際しては最も安全なプロトコルとされるＳＥＴ(secure electronic transaction)方式を用いるよう提案、ＳＥＴプロトコルさえ用いれば、最悪なケースでも業者はその損失を補償されると説明した。
しかしムスタファのウェブサイト(http://www.mustafa.com.sg)の管理を引き受けているUnicomp Softwareによると、シンガポールの大部分の銀行はＳＥＴプロトコルの使用を推奨しておらず、この種のプロトコルがオンライン・バイヤーにより広く利用されている訳でもない。ＳＥＴプロトコルを使用する際は、バイヤーのコンピューターに関係ソフトウェアがインストールされていることが前提になるが、バイヤーにして見れば、数時間を費やしてソフトウェアをインストールするよりは、直接最寄りの店で購入した方が手っ取り早いと言う。(STAR:12/13)