SEAnews 1999-12-13 ArtNo.21301

【シンガポール】経済開発局(EDB)は生命科学を向こう5～10年間に年産100億Ｓドルの産業に育成する計画だ。
ＥＤＢのフィリップ・ヨー会長が9日催された第1回生命科学投資セミナーの開幕式を主宰後マスコミに語ったところによれば、これはシンガポールを研究開発(R&D)から製薬／食品原料の製造に至るバリューチェーン全体をカバーする世界的レベルのライフサイエンス・ハブにすると言うビジョンの一環である。
シンガポールの生命科学産業の昨年の生産高は38億Ｓドルをマークしたが、今年初10ヶ月だけで同部門の生産高は50％以上の成長を見た。同成長率は製造業各部門中最高レベルのもので向こう数年も二桁成長が持続する見通しだ。
現在シンガポールにはスミスクライン・ビーチャム、Ｌｏｎｚａ、グラクソ・ウェルカム、Rhone Poulenc Rorer、バクスター、ベクトン・ディキンソン、シーメンス・メディカル等、多国籍生命科学会社7、8社が進出しており、2005年までに別に10～12社を誘致できれば、目標を実現できる。
このため政府は、パイオニア・ステータス下の法人税免除、従業員訓練補助、Ｒ＆Ｄ支出に対する税額控除等の奨励措置を講じるとともに、トゥアスにファーマ・パークを設け、世界クラスのインフラを提供、Institute of Molecular and Cell Biology等の研究機関も設立し、民間業界の研究活動に支援を提供している。この他、ＥＤＢは国家科学技術局(NSTB)と共同で、総額2億3000万Ｓドルの3つの投資ファンド(Pharmbio Growth Fund / Life Science Investments / Singapore Bio-Inovations)を設立、民間部門のプロジェクトに共同投資していると言う。(ST,BT,LZ:12/10)