1999-12-09 ArtNo.21269
◆<星>KTLバンク、スタートアップ3社にS$800万ローン
【シンガポール】Keppel TatLee Bankが2ヶ月前に設けたTechFinancing Centreは7日、ハイテク・スタートアップ企業3社と、総額800万Sドルの融資契約を結んだと発表した。
ケッペル・タットリー・バンクの Eric Tham重役(GM)によると、これら3社とは1)DVD技術のLucus Origin(S$500万短期信用)、2)コンタクト・レンズ・メーカー、Lenspec Technology(S$80万ローン)、3)米国拠点のリムーマブル・ディスク会社Caleb Technology Corp (シンガポール上場MMIホールディウングズ系列会社:US$150万短期ローン)。テクファイナンシング・センターは合計100件のローン申請を受理、現在なお20件のローン交渉が進められており、内7件は交渉がまとまる可能性が大きい。月曜には上記3社以外に第4のスタートアップ企業とローン契約が結ばれており、当該dot-com企業については、来月発表を行う。
テクファイナンス・センターは、ベンチャー・キャピタルやエンジェル・インベスターの支援を得た強力な技術基盤と市場性を有するスタートアップ企業に照準を合わせて融資を行う。国家科学技術局(NSTB)傘下のベンチャー・キャピタル会社TDFマネージメントが5000万Sドル・ファンドの共同マネージャーを務めている。同ファンドはTDFの資金とは無関係だが、NSTBは関係ローンのリスクと利益をシェアする。テクファイナンス・センターは別のベンチャー・キャピタルからも経験/ノーハウの提供を受ける。
センターは資金を貸し付けるだけでなく、関係企業の株式を取得するオプションも認められている。同アレンジはこの種の企業が上場した際に、センターに好収益をもたらす見通しだ。今回ローン契約した3社はいずれも最終的には上場することを目指している。
Tham氏は「ハイテク・スタートアップに対する融資の潜在性は大きく、シリコン・バリーや他の地域の銀行の同様の貸付業務も活況を呈している」と指摘、「この種のビジネスは、その収益性から言って、銀行の中核業務に成り得る」と自信を表明している。しかしケッペル・タットリー・バンクを除き、他の地場銀行の中には、リスクの大きいハイテク・スタートアップに対する融資業務を今直ちに開始するものは存在しない。
NSTBのFoo Jixun課長によると、同局は地元や外国の銀行に同様のファシリティーを設けるよう奨励している。 通常のローンでは担保や保証人が求められるが、新スキームの下では、この種の条件が課されない。
TDFのChin Chao取締役は、「テクノロジー・ファイナンスはスタートアップ企業が過度に株式発行に依存し、株式の希薄化を招くのを防止する上からも、重要」と語る。同氏によると、ドットコム企業への融資にはリスクを伴うが、決してドットコム企業と言う理由から融資に消極的姿勢をとることはないと言う。(BT,ST,LZ:12/8)
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