1999-12-08 ArtNo.21255
◆<星>投資家、シリコン・バリーにインキューベーター開設
【シンガポール】シンガポールの草の根チームが、地元スタートアップ企業の米国における事業の立ち上げを支援するため、シリコン・バリーにインキューベーターを設立する準備を進めている。
草の根チームを率いるハイテク・ビジネス・コンサルタントJek Kian Jin氏及びインターネット投資家David Lim氏によると、同プロジェクトはシンガポールの国家科学技術局(NSTB)の精神的支援も得ており、NSTBは補助金支出の可能性も検討していると言う。
インキューベーターが米国に誕生して既にかなりになるが、フォーチュン誌11月号によれば、最近はシリコン・バリー企業のほとんどがインキューベーターから事業を興している。少なからぬベンチャー・キャピタル会社や多国籍企業が、この種のファシリティーを設けている。そして最近は事業家やエンジェル・インベスターがベンチャー・ファンドを取り入れて経営するインキューベーターも増えている。
インキューベーターもベンチャー・キャピタルも資金提供の他、ネットワーキングやマネージメント面の支援を提供しているが、インキューベーターは、事業の目鼻も付かぬ極めて早い時期から支援を提供する点が異なる。またインキューベーターが個々のスタートアップ企業に提供する資金は、ベンチャーキャピタルほど多くはないが、成功率はベンチャーキャピタルよりも高い。何故ならインキューベーター出身企業は、市場進出や証取上場を早い時期に実現できるため、とフォーチュン誌の特集記事は述べている。
シンガポーリアンらによりシリコン・バリーに設けられるインキューベーターは、その限られた資金とスペースから当面少数のスタートアップ企業を受け入れることになる見通しだ。
Jek氏によれば、シンガポールやアジア出身企業が優先されるものの、支援対象は決してこうした企業に限られない。シンガポールのスタートアップ企業は米国のスタートアップ企業と同じ屋根の下で、操業することにより、米国におけるビジネスの方式をより早く会得できる。同様に米国のスタートアップ企業はシンガポールのスタートアップ企業から学ぶことができると言う。
NSTB幹部は、「この種のプロジェクトやコンセプトには強い関心を寄せているが、実際にシンガポール・サイドでスピン・オフ効果を発揮するか否かを検討中」と語った。
ちなみにシンガポールのジュロン・タウン公社(JTC)子会社Arcasia Landは既にシリコン・バリーにGateway@SVと称するインキューベーターを設け、シンガポールのスタートアップ企業にオフィス・スペースやその他の支援を提供している。Arcasia Landは米国のインキューベーター組織にGateway@SVの運営を任せている。(BT:12/7)
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