1999-12-06 ArtNo.21224
◆<星>帝人、ポリカーボネート工場稼働、投資倍増準備
【シンガポール】ジュロン島に1億9000万米ドルを投じて設けた年産6万トンのポリカーボネート工場を3日稼働させた帝人と帝人化成の合弁会社テイジン・ポリカーボネート・シンガポールは、早くも投資額を2倍以上の4億米ドルに拡大する計画だ。
帝人の安居祥策社長によると、国際的なポリカーボネート樹脂の供給不足からシンガポールにおける年間生産能力を8万トンに拡張する第2期工事が既に準備されている。投資額1900万Sドルのデボトリング工事は来年第4四半期にも着手される。
さらに東南アジアと東アジアの急増する需要に応じるため、9500万米ドルの第3期工事も計画されており、同工事が実行されれば、年間製造能力は13万トンに達する。
これによりシンガポールの製造能力は日本における年間製造能力12万トンを上回ることになる。シンガポール工場は日本を除く全世界の需要に応じ、日本工場は日本国内の需要を賄う。
それだけではなく年間5万トンの製造能力を追加する9500万米ドルの第4期工事も検討されている。しかし同拡張工事は世界需要が引き続き急成長を続けるか否かにかかっている。
顧客への製品供給が、日本からの供給に比べ低コストと言うことの他、隣接する三井化学の工場から原料のビスフェノールAの供給を受けられることが、シンガポールでの生産拡大の主因になっている。
経済開発局(EDB)のフィリップ・ヨー会長によると、帝人のプロジェクトはエンジニアリング・プラスチックの製造事業を振興するシンガポールの政策にマッチしており、EDBはテイジン・ポリカーボネート・シンガポールに10%出資している。ポリカーボネートはCD、CD-ROM、DVD、携帯電話、その他の幅広い電気/電子製品の原料として利用される。
一方、三井化学のタナカ・トシカズ取締役によると、帝人の需要拡大に対応してビスフェノールAの製造能力拡張が計画されており、今年内にも投資計画を発表できる見通しと言う。(ST,BT,LZ:12/4)
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