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1999-12-03 ArtNo.21210
◆<星>11月の資材調達責任者指数僅かにアップ、懸念材料も
【シンガポール】シンガポールの11月の資材調達責任者指数(PMI)は生産及び在庫の両サブセクターの上昇に支えられ、僅かにアップしたものの、新規受注が下降、早くも景気の調整期を迎えたのではないかと懸念されている。
シンガポール調達資材管理研究所(SIPMM)が製造業12業種の資材調達責任者にアンケート調査した結果に基づいて算出したPMIは、新規受注、生産、在庫、価格、雇用、納期など9つのサブ指数からななり、指数が50を超えれば景気の拡大、下回れば景気の後退を示す。11月のPMIは前月を0.8%ポイント上回る60.6をマーク、シンガポールの製造業が引き続き拡大基調を辿っていることを裏付けた。電子産業のPMIは3カ月連続下降線を辿っているものの依然として64.3と好調を保っている。電子部門の生産/新規受注/輸入/価格/雇用/納期等の指数はいずれも下降した。
新規受注は国内受注も海外受注も過去数ヶ月下降線を辿っており、電子業についてはそうした傾向が一層顕著になっている。
SIPMMのビジネス調査委員会メンバーも務めるSKFロジスティクス・サービス・アジアのアリック・チア重役(MD)によれば、第3四半期に見られた高い需要は、実際の消費とマッチしていなかった可能性がある。もしそうなら製品の滞留現象が生じているものと見られ、サプライ・チェーンに需要の歪みが生じ、早晩調整期を迎えるものと予想される。そして表面的な需要の増大に応じて生産を拡張した企業は、こうした調整の深刻な影響を被るものと見られる。新規受注/輸出/輸入等の指数が下降し、生産や完成品在庫指数が引き続き上昇基調を辿っていることが、こうした懸念を裏付けている。
いわゆる2000年(Y2K)問題がこうした需要の歪みを生じさせていると見る向きは少なくない。だとすれば12月の新規受注は引き続き下降し、完成品在庫が急速に拡大する恐れがある。
しかし需要の減退が部品供給の逼迫に伴うものなら、この種の懸念は無用である。実際サプライヤーの納期指数は、主要コンポーネントの供給逼迫を反映し、11月には14.3%ポイント・ダウン、39.4をマーク、電子部門に限ってもサプライヤー納期指数は13.1%ポイント・ダウンし、30.2を記録した。主要部品の供給逼迫はサプライ・チェーンに影響を及ぼし、やはり需要の歪みの原因になる。
材料価格指数は僅かに下降したもの依然として50台にあり、また主要部品やコンポーネントは供給不足から値上がりする傾向を見せている。
通常サプライの逼迫は景気の加熱を反映しており、完成品在庫の拡大も、需要の回復時に迅速に対応できることから、一概に不安材料とすることはできない。このためPMIの数字の背後に存在するシナリオを如何に判断するかが、鍵になると言う。(ST,BT,LZ:12/2)
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