SEAnews 1999-11-23 ArtNo.21105

【シンガポール】巨額の負債を抱えるシンガポール証取(SES)上場のコンピョーティング／Ｅコマース・グループ、ＩＰＣコープは目下米国のベンチャー・キャピタル・ファンドと新資金の導入とナスダック登録問題を協議している。
消息筋によると、ＩＰＣは来年半ば前後のナスダック登録を目指しており、以下の3つのシナリオが検討されている。
1）ウルトラ・スィン・クライアント・ビジネスを手がける子会社Austin Federationもしくは中国におけるＥコマース・ビジネスを手がける子会社The Shanghai Shared Data Network Co (SSDN)を登録させる。
2）オースチンとＳＳＤＮ双方を登録させる。
3）債務再編完了後親会社のＩＰＣコープそのものを登録させる。
ＩＰＣはナスダック登録以前にベンチャー・キャピタル・ファンドの導入を希望している。ベンチャー・キャピタルから運転資金を導入、ビジネスを再建すれば、企業の付加価値を高められる他、ベンチャー・キャピタルの後ろ盾が得られれば、市場の評価も高まるため。ＩＰＣのPatrick Ngiam重役(CEO)は先週、カリフォルニア州シリコン・バリーのベンチャー・キャピタル会社を訪ね、関係問題を協議した。米国でインタビューに応じたギャム氏は、足場を固め、傘下の2ビジネスを早期に立ち上げるため、米国株式市場での資金調達を検討していると語ったが、それ以上のコメントを控えた。
ＩＰＣが3つのオプションの何れを選択するかは明らかでないが、観測筋は、2子会社のナスダック登録は米国の投資家に歓迎されると見ている。
オースチンの特許製品“Buddy System”は既にフォーチュン・マガジン等に紹介され、コンピューター会社等から注目されている。Buddyはウルトラ・スィン・クライアント製品の商標名で、1台のパーソナル・コンピューターを複数のユーザーが同時にシェアすることを可能にする。例えば父親が自宅でスプレッドシートを処理している間、息子はゲームを楽しめる。別にスクリーンを必要とするが、ＰＣを2台購入するよりは安上がりだ。
他方、ＳＳＤＮは最近、中国でインターネット・ペイメント・ゲートウェイ・サービスを開始する計画を発表しており、近頃ナスダック登録を果たしたChina.comが米国市場でブームを呼んでいる時だけに、新たなアジア・インターネット・ストックは米国投資家の注目を集めるものと見られる。.チャイナ・コムの昨年の業績は売り上げ350万米ドルに対して、損失が850万米ドルにのぼったが、同社株価は今年7月のデビュー以来400％も値上がり、今や時価総額は20億米ドルに達している。
オースチンとＳＳＤＮは、1999年6月期半期に60万Ｓドルと84万Ｓドルの利益を計上している。親会社のＩＰＣは依然として2億9150万Ｓドルの負債を抱えているものの、アーサー・アンデルセンの管理下に再編作業が進んでいるようだ。非中核業務資産1億9000万Ｓドルを有するＩＰＣの最新の半期業績は売り上げは80％減の980万Ｓドルで、1960万Ｓドルの損失を計上した。昨年は2250万Ｓドルの損失だった。(ST:11/22)