SEAnews 1999-11-20 ArtNo.21078

【クアラルンプル】今月29日に投票が行われるマレーシアの国会／州議会総選挙では、独立以来初めて野党勢が各選挙区で候補者を一本化し、与党候補に一騎打ちを挑む。
全国193国会選挙区とサバ／サラワク両州を除く州議会394議席の立候補届けが20日午前9時から11時(現地時間)の間に行われた。野党連合The Alternative Front(AF)に加わるイスラム党(PAS)、パルティ・クアディラン・ナシオナル(PKN:正義党)、民主行動党(DAP)、人民党(PRM)の4党は19日、共同記者会見し、半島マレーシアでは、4党の候補者を一本化し、与党候補者に一騎打ちを挑み、東マレーシア(ｻﾊﾞ/ｻﾗﾜｸ)については、同地の野党勢力と最後の調整工作を進めていると発表した。
野党陣営の大物政治家は各自が地盤とする安全圏で立候補し、慎重に議席の確保を図る一方、反体制派著名人や若手活動分子を与党の大物に挑戦させると言う戦略を採用している。アンワル前副首相夫人のワン・アジザ女史はアンワル氏の選挙区ペナン州プルマタン・パウ区に出馬するもようで、マハティール首相の膝元クダ州クバンパソ区にはＰＡＳのSubky Latiff宣伝部長が出馬する。また与党政界のゴシップ集“Shit”の著者Datuk Shahnon Ahamad氏は閣僚切ってのイスラム主義者として知られるアブドル・ハミド・オスマン総理府相に挑戦する。
野党連合ＡＦが首班に押すアンワル前副首相が果たして選挙資格を認められるか否かが注目されているが、ＡＦ幹部は何れの選挙区にアンワル氏が立候補するのか明らかにすることを避けた。選挙管理委員会は立候補者の資格の認定に関しては、当該選挙区の選挙管理委員の判断に委ねるとしている。政界消息筋はアンワル氏がクアラルンプルのLembah Pantai国会選挙区に出馬するものと予想しているが、記者会見の席上、アジザ女史も他の野党リーダーもこの点についてコメントを控えた。
一方、与党陣営は候補者の約30％を新人に入れ替える一方、各候補の選挙区を入れ替え、野党陣営の攻勢を交わす戦略とされる。(ST,LZ:11/20)