1999-11-17 ArtNo.21050
◆<馬>コマッグ、ペナン工場でガラス・メディア製造準備
【クアラルンプル】世界最大の独立系コンピューター・ハード・ディスク・ドライブ(HDD)用薄膜メディア・サプライヤーKomag Incはペナン工場でガラスメディアを製造する計画だ。
コマッグ・マレーシアのTan Thiam Seng副社長兼MDによると、ガラス・メディアの製造は来年第3四半期乃至第4四半期に開始される。
アルミニウム・メディアは目下のところ依然として市場のニーズを満たしているが、記憶容量拡大の趨勢を配慮すれば、将来はアルミニウム・メディアはガラス・メディアに取って代わられる。同社の研究開発(R&D)チームは既にガラス・メディアの新製造方式を開発しており、同方式はコスト効率の面でも要求を満たすものと見られる。コマッグはガラス・メディアを、アルミニウム・メディアと同レベル、またはそれを下回るコストで製造することを目指している。
目下、ノートブック・パーソナル・コンピューター(PC)用HDDに主に用いられているガラス・メディアのコストはアルミニウム・メディアの2倍にのぼる。ガラスの原料コストはアルミニウムよりも低いが、ガラスから薄膜メディアを製造するプロセスは、アルミニウムより難しい。しかしガラスはアルミニウムより堅いため、記憶容量の大きいディス・ドライブの製造に向いている。柔らかいアルミニウム・ディスクを毎分1万回以上の高速で回転させると、不安定になり磁気ヘッドのデータ処理に影響が生じる。ガラス・メディアにはこの種の障害がない。このため同社はより低コストな加工技術の開発に努めている。
HDD業界はガラス・メディアにシフトしつつあり、ガラス・メディアの製造技術の特許権を有する同社にとっては有利な潮流と言える。最近ディスク・メディア製造業務を全面的にマレーシアに移転する方針を決めたコマッグは、目下ペナンで完成品を、サラワク州で半製品を製造している。(STAR:11/16)
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