1999-11-16 ArtNo.21039
◆<印度>カルナタカ州、LNGターミナル計画の復活目指す
【バンガロール】カルナタカ州政府は西海岸における5000クローと見積もられる液化天然ガス(LNG)プロジェクトの復活を目指し、ペトロネットに接近を図っている。
カルナタカ州政府は当初Finolexと関係趣意書を取り交わしたが、後者が一向にプロジェクトに着手せぬため、同趣意書を破棄した。ガス・オーソリティー・オブ・インディアLtd(GAIL)とインディアン・オイル・コーポレーションLtd(IOL)の合弁に成るペトロネットは同プロジェクトに関心を抱いているとされる。
過去1年に及ぶ政治的な不透明が関係企業の決断を鈍らせたが、観測筋は、マハラシュトラ州Sangliとカルナタカ州Mangaloreを結ぶ送電線の敷設が認められた場合にのみ、ペトロネットは投資に応じるものと見ている。
目下プロジェクトの復活を図っているのは、カルナタカ州工業投資開発公社(KSIDC)だが、カルナタカ州政府は資金を拠出できる状況にはない。
当初LNGプロジェクトが離陸できなかった理由の1つには、500MW(メガワット)のナフサ発電事業が流産したことが挙げられる。当初同発電事業に関心を示したエンロンは、マハラシュトラ州Dabholからのパイプ・グリッドの延長が認められなかったため、撤退を決めた。
エンロンはまたカルナタカ・パワー・コーポレーションLtd(KPTCL)と、LNGターミナル計画を協議したが、具体的化には至らなかった。一方、カルナタカ州政府はメガ化学肥料プラントを北部に設ける計画にも執着しており、某大手企業が同プロジェクトに関心を示していると言われる。
カルナタカ州内に拠点を設ける独立電力供給業者(IPP)29社の中には、目下のところLNGを燃料とするものは1社も存在しないが、LNGターミナルが設けられるなら大部分のIPPがその燃料をガスに転換するものと見られる。
しかし観測筋は、ロジスティクスと資金問題が解決しない限り、この種のプロジェクトは進捗せず、また国内にはそうした財力や能力を備えたプレーヤーはほとんど見あたらないことから、カルナタカ州政府の計画が短期的に実を結ぶ見通しはないと評している。(ET:11/14)
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