SEAnews 1999-11-16 ArtNo.21037

【クアラルンプル】マハティール首相は14日、与党連合国民戦線(BN)はマレー系住民の人口比率が高い半島マレーシア北部の4州、プルリス／クランタン／クダ／トレンガヌに照準を合わせ、選挙キャンペーンを展開すると語った。
マレーシアの政府与党はこれまで、華人票の行方を最も懸念してきたが、首相の以上の談話から今回の選挙では、ＢＮの中核を成す統一マレー国民組織(UMNO)の支持基盤に亀裂が生じ、マレー系有権者の離反が懸念されていることが窺える。
これらの諸州には昨年解任されたアンワル前副首相の勢力が根強く、またクランタン州では野党イスラム党(PAS)が州政権を握っている。
この日、プトラ・ワールド・トレード・センターで1万5000人余のＢＮ青年部及び婦人部幹部を前にスピーチした首相は、「一部の者は宗教指導者の身分で、政府や政府指導者を誹謗する発言を行っている。マレー系住民に対する宗教指導者の影響力は極めて強いことから、少なからぬマレー系有権者がこうした誹謗を信じている可能性がある。このためＢＮは、青年部や婦人部を含む全ての組織を動員して住民にこうした誹謗の背景や真実を伝えねばならない」と語った。
これ以前に、クランタン州のＵＭＮＯ指導部と会談後記者会見した首相は、クランタン州政権の奪還に自信を表明した。同州の国会議席は14、州議席は43で、改選前の与党の議席は国会7、州議会18だった。
クアランタン州のニク・アジズ・ニク・マト首席大臣は最近、女性は就業すべきではなく、取り分け秀麗な女性は公衆の面前に出るべきでないとの発言を行い、与党陣営の反論を呼んだが、マハティール首相はこの日、「ＢＮは男女に平等な権利を認める。女性は立候補を認められるだけでなく、国家の指導者にもなれる」と演説した。首相は、さらに「有権者の54％は女性であり、女性の投票率は59％と、選挙における比重は極めて大きい。ニク・アジアズ(首席大臣)もファジル・ノール(PAS議長)もこの数字を知ったなら、政策を改め美女を受け入れるだろう」と語った。(ST,LZ:11/15)