1999-11-10 ArtNo.20976
◆<馬>UEMのクダ・セメントへの資産売却のメリット大:アナリスト
【クアラルンプル】アナリストらは、United Engineers (M) BhdがExpressway Lingkaran Tengah Sdn Bhd (Elite)とKualiti Alam Sdn Bhd(KASB)の権益をKedah Cement Holdings Bhd (KCHB)に売却した目的は、Elite及びKASBの間接上場を通じた事業価値の実現を図るとともに、KCHBのより大きなシェアを握ることにあると指摘する。
一部の観測筋はUEMが、KCHBの少数株主にその潜在価値を自覚させ、軽々に公開買い付けに応じないようにさせるため、さらに多くの資産をKCHBに注入する可能性もあると見ている。
UEMは先週木曜、EliteとKASBの権益を9億8800万MドルでCentral Malaysian Assets Sdn Bhd(KCHBの上場資格を引き継いだ新会社)に現金と株式のスワップを通じて売却すると発表した。これに対してセントラル・マレーシアン・アセットはセメントビジネスをMalayan Cement傘下のM-Cement Sdn Bhdに売却して空洞会社になったKCHBの上場資格を引き継ぎ、これを維持することを保証した。
これによりUEMはKCHBの68%の権益を手に入れ、赤字経営のElite及びKASBをKCHBを通じてクアラルンプル証取(KLSE)に間接上場させられる上、3億Mドルのキャッシュを手にすることができる。
アナリストらによると、UEMは傘下の南北ハイウェイ経営会社Projek Lebuhraya Utara-Selatan Sdn Bhd (Plus)の社債償還のため、さらに多くの資産を処分する必要があると指摘する。
一方、KCHBはそのセメント・ビジネスをマラヤン・セメントに売却後4億2000万Mドルの現金を保持している。
UEMはCentral Malaysian Assets株主に対する公開買い付けを行わねばならないが、KCHBの支配権益を取得した上に現金を手に入れ、なお且つ、間接上場を通じて傘下子会社2社の事業価値を実現できるため、今回の取引は大きなメリットがあると見られている。
他方、KCHBの少数株主にとっては、手持ちのシェアが値上がりすることから短期的にメリットがある。しかし長期的な見通しは、Elite及びKASB の将来の業績に左右される。
Eliteは一部債務の返済不能に陥り、債権者と債務再編協議中だが、KASBは廃棄物処理のコンセションから近く多額な利益を計上できると見るアナリストも存在する。KASBは1998年12月期に150万Mドルの純益を計上している。(STAR:11/8)
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