1995-06-23 ArtNo.2093
◆<星>インドネシア産品中継貿易、益々加工品にシフト
【シンガポール】インドネシアのシンガポール向け輸出品は、これまでシンガポールで加工後再輸出される一次産品や原料品が主流だったが、再輸出用加工品へのシフトが顕著となっている。
シンガポール国際商業会議所(SICC)がインドネシア中央統計局の資料に基づいて作成した報告書(シンガポール政府は政治的配慮からインドネシアとの貿易統計を公表していない。)によれば、例えば録音再生機器の輸出は93年の2500万米ドルから1億6300万Sドルに拡大しており、SICCはシンガポール拠点の企業がその製造業務を近隣のバタム島やビンタン島に移したことが反映されていると見ている。しかし伝統的な輸出品目についても、例えば宝石は、一昨年の2億400万米ドルから6億800万米ドルに拡大、原油輸出も8680万米ドルから4億6600万米ドルに急増した。94年のシンガポール向け輸出は全体で前年比23%拡大、93年の1.8%から回復した。往復貿易の伸びも93年の3.4%から16.7%に加速したが、92年の21.3%や91年の29.4%の伸びには及ばなかった。シンガポールのインドネシア向け輸出は18億7000万米ドルと、前年比4.7%の伸びを見たが、一昨年の7.3%に比べ鈍化している。この結果インドネシアの貿易黒字は15億8000万米ドルから22億7000万米ドルに拡大した。シンガポールは一昨年はインドネシアの第5番目の貿易相手国だったが、昨年は日本、米国に次ぎ3位に浮上した。(ST,BT:3/23)
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