1999-11-03 ArtNo.20908
◆<星>チップ・デザイン会社Tritech、9年間の営業に終止符
【シンガポール】政府系シンガポール・テクノロジー・グループに属するチップ・デザイン会社Tritech Microelectronicsは、著作権侵犯訴訟を巡る賠償額を2910万米ドルから600万米ドルに削減することに成功したにも関わらず、結局9年間の経営に終止符を打ち、清算されることになった。
シンガポール政府の公報によればTritechに対する清算命令は10月15日に発せられた。1990年に設立されたTritechは、急成長するハイテク企業として脚光を浴びた時代もあったが、ライバルのCrystal Semiconductorにより起こされた3件の著作権侵犯訴訟を巡り、米国法廷から有罪判決を受け、今年5月以来管財人の管理下に置かれていた。
管財人のPricewaterhouseCoopersは、その3ヶ月後に賠償額を2910万米ドルから600万米ドルに引き下げる法廷判決を獲得したが、消息筋によると、Tritechは有罪判決を覆さない限り、現在の活動を続けることはできず、仮に上訴しても裁定が下るまでには3年を要し、この種の業界にとって3年はあまりに長すぎるため、清算を選んだと言う。
シンガポール・テクノロジー傘下の企業としては、ディスク・ドライブ・メーカーMicropolisに続く、2社目の清算となった。(ST:11/2)
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