1999-11-01 ArtNo.20877
◆<星>STテレメディア、地元と米国証取に同時上場準備
【シンガポール】シンガポール・テクノロジーズ・テレメディア(STテレメディア)は向こう12~18ヶ月間にシンガポールと米国の証取に同時する計画で、公開公募(IPO)を通じて調達される資金は10億Sドルに達する見通しだ。
消息筋によると赤字経営のSTテレメディアはシンガポール証取(SES)が最近発表した上場規則の緩和に乗じ、IPOの準備に着手、マーチャント・バンクも指名したようだ。
SESの新規則の下、IPO後の時価総額が8000万Sドルを超えることが見込まれるものは、譬え赤字経営でも上場申請を行うことができる。
市場通によれば、多額な投資を必要とする懐妊期間の極めて長い一連のプロジェクトを準備中のSTテレメディアが短期的に黒字に転換する見通しはないが、STテレメディアの潜在性に賭ける先見的投資家も少なくないものと見られる。
シンガポール政府が完全出資するシンガポール・テクノロジーズは、STテレメディアの20%程度の持ち分を公開する計画と見られ、後者は姉妹会社チャータード・セミコンダクター・マニュファクチュアリングの後塵を拝し、地元と米国両市場への同時上場を図る見通しだ。多数の証券会社を通じ、リテール投資家に1000~5000株単位の売り込みも図られる予定で、投資の魅力を高めるため、グループ企業4社ST SunPage、ST Mobile Data、ST Advanced Radio、ST TeleportをSTテレメディアに統合することも計画されている。
姉妹会社4社を統合することにより、グループはその照準を新たな成長領域に合わせることができ、STテレメディアにとってはEコマースやインターネット関連の総合サービスを提供できるようになる。しかし目下のところは、極めて流動的で、投資家にアピールするグループ全体のゲーム・プランが目下立案されている。
シンガポール・テクノロジー・グループのテレコミュニケーション子会社として1995年に設立されたSTテレメディアは、移動電話ライセンス獲得に失敗する等の挫折も喫したが、今や第2基本電話会社スターハブに出資、シンガポール・テレコムに次ぐ、シンガポール第2のテレコム企業として浮上している。(ST:10/29)
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