1999-10-20 ArtNo.20771
◆<星>ヨー氏、シングネット補助巡るTASの裁定に異議
【シンガポール】今月1日にSembCorp Industries(SCI)会長を退任し、SCIが42%出資するインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)“Pacific Internet(パックネット)”の顧問に就任したフィリップ・ヨー氏(経済開発局会長)は18日、シンガポール・テレコム(シングテル)がそのISP子会社シングネットに違法な補助を行った事実はないとするシンガポール電信局(TAS)の裁定に異議を申し立てた。
ヨー氏はSCI退任に際して、シングネットがインターネット無制限アクセス契約者に提供している市内電話料免除は、親会社の補助がなければできないことと述べたが、シングネットは直ちに、同社はその帳簿をTASに提出しており、不公正な競争行為は行っていないと反論した。TASもその後、シングネットの帳簿に不正はなく、親会社によるクロス補助は行われていないと声明した。
ヨー氏は、18日、TASに書面で異議申し立てを行うとともに、ストレート・タイムズ紙に、「パックネットも自分も、TASの裁定は納得できない」との立場を表明した。それによると、TASは電話市場を独占するシングネットがその子会社に対して不正なクロス補助を提供しないよう監督し、市場の公正な競争を確保する使命を負うているが、最近のTASの声明には、どのような調査を行い、どのような結果が出たのか、具体的な説明を何ら行っていないと言う。
ヨー氏は、この日TASに提出した書簡の中で“コーポレート・トランスパランシー”の必要性を強調したが、シングテルのリー・シエンヤン社長兼CEOも、その数日前に奇しくも同じ言葉を用いて「TASの政策には少なからぬ不透明な部分が存在する」と批判していた。(ST:10/19)
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