1999-10-20 ArtNo.20770
◆<星>バス会社Tibsと地下鉄SMRTの合併計画破談
【シンガポール】民間バス会社のTrans-Island Bus Services (Tibs)と政府所有の地下鉄経営会社Singapore MRTは18日、共同声明を発表、5ヶ月前に鳴り物入りで公表された公共交通機関大再編計画の中枢を成す、両社の合併協議が破談に終わったと宣言、投資家らを唖然とさせた。
マー・ボータン当時運輸通信相は今年5月20日、シンガポール証取(SES)上場のバス会社シンガポール・バス・サービシズ(SBS)が目下建設中の地下鉄東西線(NEL)の管理権を引き受ける一方、既存の地下鉄経営会社SMRTが、TIBSホールディングズを逆買収し、SESに裏口上場すると発表した。それ以来Tibs株は急騰し、先週金曜の終値は3.28Sドル、株価収益率(PER)は60倍を記録していた。ライバルのSBSのPERが18倍であることから、アナリストは実勢価格は2ドル前後と評していたが、上記の共同声明が発表された翌19日には40%の急落を見、アナリストの予想通り1.99Sドルで引けた。
共同声明は破談に終わった理由を特に説明していないが、SMRTはアドバイザーのDBS Bank及びWarburg Dillon Readの勧告に基づき、独自にSESに上場後、改めて戦略パートナーを物色すると述べ、その時点でTibsと合併する可能性も否定しないとしている。
アナリストらは、SMRTが独自にバスやタクシー会社の経営に乗り出すのは、シンガポールの市場規模から言って困難で、両社が将来合併する可能性は少なくないと評している。
他方、TIBSは中核とするバス/タクシー事業の拡張に努める一方、将来の鉄道事業入札に参加し、鉄道経営権の獲得も目指すとしている。(ST,BT,LZ:10/19,20)
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