1999-10-18 ArtNo.20740
◆<星>ファンド・マネージャーの銀行/メディア権益を制限
【シンガポール】シンガポール金融管理局(MAS)と情報芸術省(MITA)は16日、ファンド・マネージメント会社の銀行/メディア権益取得を規制する内容の声明を発表した。
MASは米国ファンド・マネージャー、Brandes Investment Partnersに対して銀行法に定められた5%の上限を超えて保持するDBS Group Holdings (DBSH)のシェアを3ヶ月以内に売却するよう指示した。
一方、MITAはシンガポール・プレス・ホールディングズ(SPH)および放送事業会社の支配権益が特定の個人や法人に握られることを防止するため、新聞印刷出版法(NPPA)とシンガポール放送法(SBA)に修正を加える方針を発表した。
それによると、現行のNPPAは個人や法人がSPHの3%を超えるシェアを取得することを禁じているが、シンガポール検察庁は今年9月にSPHの5.05%のシェアを取得したと発表した米国のファンド・マネージャー“キャピタル・グループ・カンパニーズ”は顧客を代表してこれらのシェアを管理しているに過ぎないため、現行法に違反しないとの判断を示した。しかしその実ファンド・マネージャーは顧客の委任の下に議決権を行使することもできるが、NPPAはこうした状況の発生を防止することができない。
これに対して銀行法はMASの事前承認を得ずに如何なるパーティーも地元銀行の5%を超える議決権株を取得することができないと明記しており、NPPAのような法の抜け穴が生じる余地がない。このためMITAは検察庁の勧告に従い、NPPA及びSBAに修正を加える方針を決めたと言う。
他方、MASはこの日の声明の中で、銀行法の下、如何なるものもMASの事前承認を得ることなく地元銀行の5%を超えるシェアを取得することはできず、ブランズ・インベストメント・パートナーズのような事後承認申請は受け入れられないとしている。MASはブランズの行為を罰する考えはないが、同社は30日以内に先ず1%のDBS持ち分を処分し、3ヶ月以内に5%以下に同持ち分を引き下げねばならないとしている。
証券業界筋によると、ブランズ・インベストメントはDBS株2310万株を、キャピタル・グループはSPHの910万株を処分する必要があり、譬え一度に処分されるのではないにしても、これら2銘柄の株価への影響は避けられないと言う。(ST,LZ:10/17)
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