SEAnews 1999-10-16 ArtNo.20729

【シンガポール】シンガポールに製造拠点を有する米系ディスク・ドライブ(HDD)会社Seagate Technologyは、アナリストらの赤字予測を覆し、1999年10月1日締め四半期に200万米ドルの純益を回復した。
昨年同期に3000万米ドルの損失を計上したシーゲートの同期売り上げも16億8000万米ドルと、やはり昨年同期の15億5000万米ドルを上回っている。クアンタム、マクスター、富士通等の攻勢から市場シェアを守るため値下げを強いられたシーゲートは、同期も赤字を計上するものと予想されていた。
シーゲートは同期に1億1200万米ドルを事業再編に伴う損失に引き当てたが、13日記者会見したCharles Pope財務担当重役(CFO)は、この種の引き当てが今年通年で2億米ドルに達すると予想した。また同社の従業員総数は6月から9月の間に8万1953人から7万7847人に縮小しており、シンガポール第2の雇用主でもある同社は、シンガポールでも既に1000人近くを解雇している。シーゲートは先月、9ヶ月以内に8000人を整理すると発表したが、ポープ氏は、同社の製造施設の85～90％がアジアに位置し、特に極東に集中していることから、主要な人員整理も同地区で行われることになると語った。
一方、10月1日締め四半期売り上げに占めるアジアのシェアは18％に後退、北米が44％、欧州が38％を占めた。同社は依然として過剰設備を抱えているため、アジアにおける事業の拡張は計画しておらす、ポープ氏は、タイでＨＤＤ生産を拡大していると言う報道を否定した。しかし同氏はアジアにおける製造施設を閉鎖する可能性に関して、コメントを控えた。
記憶装置を搭載した消費財が増加する見通しのため、同社の売り上げは引き続き拡大するが、値下がりにより相殺されることから、利益の改善は望めないと言う。(ST,BT,LZ:10/14)