1999-10-14 ArtNo.20714
◆<星>ポスト・クライシス時代の新規就業機会は6万件どまり:労相
【シンガポール】アジア経済危機を経過後のシンガポールにおいては年間新規就業機会は6万件どまりで、1995-97年当時の年間12万件の水準が回復される見込みはない。
リー・ブンヤン労相が12日の国会で語ったところによると、仮に国内総生産(GDP)が目標とする5%に達したとしても、この内の半ばは生産性の向上を通じて実現され、残りの半ばが労働力の拡張に依存することになる。このため就業機会の純増は6万件にとどまる。加えてシンガポール経済はナリッジ・ベースに移行するため、創出される就業機会も知識集約型になる見通しだ。このためシンガポーリアンはこうした変化に対応する準備を整えねばならない。
例えば情報技術(IT)は電子産業や製造業領域にとどまらず、小売業や銀行業領域でも採用されるため、労働者は何れの領域に職を求めるにしてもITを身につける必要がある。
また企業や産業全体の栄枯盛衰も加速することから、人員整理が頻繁に行われる。例えば製造業は1992年には就業機会全体の29%を占めたが、昨年は21%に縮小した。
こうした中で現在の3万3000人のIT専門職のプールは向こう数年年率10%の拡大が必要とされる。こうしたことから労働省はマンパワー21報告書に全国技術認定制度(NSRS)を盛り込むことを予定している。
企業の再編は将来益々頻繁に行われるようになるため、解雇補償が過度に手厚いなら、シンガポールは新規投資を誘致する競争力を失うことになる。このため労働省は解雇補償制度にも見直しを加えていると言う。(BT:10/13)
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