1999-10-13 ArtNo.20697
◆<星>ネット会社ハローアジア、2000万米ドル調達
【シンガポール】インターネット・スタートアップの悩みはキャッシュ不足だが、HelloAsia.com Incに限ってはこうした通念は当てはまらない。米国のチップ・ジャイアンツ、インテル・コープが6500万米ドルの提供を申し出たのに対して、ハローアジアの5人の共同創設者らは受け入れを辞退したと言う。
ハローアジアの創設者の1人Chin Cheung社長兼CEO(28)は、「投資家から出資の申し出を受けるのは嬉しいことだが、悩みの種でもある」と語る。1人(34歳)を除いて何れも20代の共同創設者の元手は合計200万Sドルに過ぎず、資金は必要だが、会社の支配権も手放したくないと言う矛盾が悩みの背景になっている。しかしとにかく創設者及び社員らが60%の権益を確保したまま、2000万米ドルの調達に成功した。
投資者にはボストン拠点のベンチャー・キャピタル会社Greylock、投資会社H&Q Asia Pacific、Times Mirror Company傘下のTMCT Venturesが名を連ね、テクノロジー・パートナーにはインテル・コープやCritical Path Incが含まれる。
ハローアジアの資金調達計画が成功した理由には、創設者が金融業の内情に通じていたことが挙げられる。チュン社長とマネージング・ディレクターを務めるHans Tung氏はゴールドマン・サックスとメリル・リンチの投資アナリストを務めた経歴を有する。
昨年4月に発足したハローアジアのスタッフは目下40人、内15人がシンガポールを拠点としている。既に香港、韓国、台湾にオフィスが設けられ、来年はマレーシア、中国、日本への進出も目指している。
ハローアジアは来月末からウェブ・ベースのショッピング報償システム“AsiaRewards”や多言語Eメール・サービス“AsiaMail”等のサービスを開始する。既に国立シンガポール大学(NUS)がEメール・サービス契約を結んでいる他、紀伊国屋やオンライン・ミュージック・リテーラーのDisc Vaultが地元パートナーに名を連ねている。
当面は利益よりもユーザー・ベースの拡大に照準を合わせ、来年末までに100万人、2001年末までに300万人の利用者を確保する計画と言う。(ST,BT:10/12)
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