1999-10-12 ArtNo.20682
◆<星>スルヤジャヤ一族、L&M通じカンバック目指す
【シンガポール】シンガポール拠点のエンジニアリング会社L&M Group Investmentsは目下黒字転換を目指した大規模な組織再編を進めており、これらにはL&M Geotechnicのシンガポール証取(SES)上場、L&M Systems Indonesiaのジャカルタ証取(JSE)上場が含まれる。
組織再編の結果、インドネシア華商、エドワード・スルヤジャヤ氏のL&M持ち分は現在の24.9%から37%に拡大する。強制公開買い付け義務が生じる25%を大幅に突破するが、シンガポール証券委員会は公開買い付け義務の免除を認めているもようだ。スルヤジャヤ一族は英国バージン諸島籍のJing Chui Ltdを通じ、新株3070万株を1株61.5セント、合計2000万Sドルで買い足す。
スルヤジャヤ一族が現在保持するL&Mの24.9%の権益は、財政難に直面するインドネシア・ビジネスマン、ヨハネス・コチョ氏から買い取ったもので、目下、エドワード氏の弟、エドウィン・スルヤジャヤ氏がL&Mの会長を務めている。
L&Mは傘下子会社2社の公募と私募を通じてその株主基金を現在の3970万Sドルから8800万Sドルに拡大する。
スルヤジャヤ一族はL&Mを海外投資やインドネシア企業とのタイアップの機関車として利用する計画だ。スルヤジャヤ一族はまたバタム島拠点の複数の政府系企業にリンクしたブラッサム・グループのRicky Sutanto氏をL&Mに引き入れる計画と見られる。
L&Mグループは昨年の4950万Sドルの損失を含め、過去3年赤字経営を続けているが、債権銀行23行に対して中核とする構造工学/地質工学部門の健全さを強調するとともに、過去のロスはコチョ氏ら前経営陣の投資戦略の誤りと杜撰な管理によるものとし、厳しい金融条件の緩和を訴えている。構造工学/地質工学部門の手持ち契約は2億5000万Sドルにとぼるとされる。
数年前にバンク・スンマの取り付け事件で当時インドネシア第2のコングロマリット、アストラ・グループの支配権益を手放したスルヤジャヤ一族は目下インドネシアで戦略的提携関係の構築に繁忙していると言われる。インドネシア最大のイスラム組織Nahdatul Ulama movement(イスラム神学者運動)議長を務めるワヒド・アブドゥルラーマン氏(58)との関係強化を図るばかりでなく、先週はスカルノ元大統領令嬢ムガワティ・スカルノプトゥリ女史(51)の姪とソロで結婚式を催したエドワード・スルヤジャヤ氏はKemayoranの元ジャカルタ空港跡地におけるサイバーシティー・プロジェクトの復活も目指していると言われる。(BT:10/11)
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