1999-10-05 ArtNo.20609
◆<星>地元法律事務所3社が合併、ハイテク起業家に支援提供
【シンガポール】シンガポールの地場小規模弁護士事務所3社Arthur Loke & Partners、Bernard, Rada & Partners、Tommy Lee & Partnersが、ハイテク・スタートアップの支援を手掛けるシリコン・バリー・スタイルの法律事務所を目指して合併、“Arthur Loke, Bernard, Rada and Lee”が1日誕生した。
3社の合併と新フォーカスのイニシアチブをとったArthur Loke氏によると、パートナーらは、駅馬車護送のガンマンさながら、ハイテク・スタートアップに支援を提供する凄腕弁護士を目指す。合併された3社のオフィスはArthur Lokeがサンテク・タワーⅡに設けた7000平方フィートのオフィスに合流、他の2オフィスは賃貸した。
新会社の事業の60%は、これまでLoke氏の事務所が手掛けてきたハイテク・スタートアップ支援業務で占められる。同氏は過去2年、スタートアップ企業に投資し、ガイド役を務めてきた。シンガポール政府はハイテク・スタートアップに対する規制を緩め、テクノロジー・ベースの経済建設に乗り出している。
シンガポール政府は同時に外資に国内法律サービス市場を開放する措置もとっており、他の法律事務所2社は今回の合併を通じて厳しさを増す競争環境下の新たなニッチを見出すことができる。
Bernard Doray氏によると、同氏の事務所は伝統的な訴訟関連のサービスを手掛けてきたが、新世紀に向けて新たな市場の開拓を希望している。既に同社の30代の若手チームはテクノロジー関連のビジネスに関心を抱いている。しかし新会社はこれまで同様訴訟、不動産、会社法関連のビジネスを中核として行く。何故ならスタートアップ企業の支援は直ちに収入にはつながらないため。資金繰りに苦しむスタートアップ企業が現在直ちに提供できるのは株式オプションだが、法律事務所は投入した資金や労力を一銭も回収せぬ間にスタートアップが倒産するリスクも負うている。スタートアップ企業が上場を果たすまでは、ストック・オプションにそれほど値打ちはないと言う。(ST:10/2)
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