1999-10-04 ArtNo.20593
◆<星>IPC、営業利益S$110万計上し事業再建に弾み?
【シンガポール】多額の負債を抱え経営難に直面する地元情報技術(IT)会社IPC Corpは、1999年6月期上半期に、久々に110万Sドルの営業利益を計上、昨年同期の1430万Sドルの損失から立ち直りを見せたが、1270万Sドルの利子返済にも足りず、経営の再建にはなお長い道のりを要しそうだ。
純損失は1960万Sドルと、昨年同期の2250万Sドルに比べ改善を見たが、1株当たりの純有形資産は昨年同期の5.39Sセントからマイナス1.22Sセントに転落した。これは、仮に今清算処分されれば、1400万Sルの債務が残り、株主は一銭も回収できないことを意味する。
とは言え、救世主インフォマテックが約束した1億3000万Sドル・パッケージの一部として500万米ドルの現金が注入され、債務の泥濘から脱出しつつある兆候も見られる。1株当たりの損失額は、1.58Sセントと、昨年同期を13%下回った。
営業額は昨年同期比80%下降し、980万Sドルにとどまったが、これはパーソナル・コンピューター(PC)ビジネスから撤退したのに伴うもの。
IPCの2つの新たな中核ビジネス、いわゆるultra-thinクライアント・コンピューティングとワイヤレス・テレコミュニケーションは60万Sドルと84万Sドルの利益をもたらし、先の110万Sドルの半期営業利益につながった。IPCは第3の中核ビジネス、“Eコマース”も下半期には利益を計上するものと予想している。
上半期には昨年同期の2万1000Sドルを遙かに上回る570万Sドルの為替差損も記録された。
IPCのPatrick Ngiam会長は最終的な債務からの脱却も照準に収めており、ボトムラインの利益計上も間もなく実現できると自信を表明した。(ST,BT:10/1)
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