1999-10-01 ArtNo.20576
◆<星>シングネット、ライバル・パックネットの42%権益買収も
【シンガポール】シンガポール・テレコム(シングテル)のインターネット・サービス子会社シングネットは、ライバルのパシフィック・インターネット(パックネット)の42.4%権益をスンブコープ・インダストリーズから買い取る可能性を検討している。
シングテルのPaul Chong重役(マルチメディア担当CEO)は木曜(9/29)に催された記者会の席上、記者からパックネットの権益を買い取る考えはないかとの質問に、「それは興味深い提案であり、もし先方からそのような話が持ちかけられるなら検討するし、仮に公開入札が行われるなら応札する」と語った。もしこの種の取引が成立するならシングネットはシンガポールのインターネット・アクセス市場の80%のシェアを握ることになる。
この種のオーナーシップの変更には電信局(TAS)の認可を要するが、TASスポークスマンは「具体的なビジネスの内容を見た上で、認可するか否かを決める」と語った。またスンブコープ・スポークスマンは、アドバイザーを指名し、パックネットの事業国際化に資する戦略パートナーを物色するとしている。
一方、この日の記者会見の席上、ポール・チョン重役は、シングネットはそのトールフリー・サービス(インターネット無制限アクセス契約者に対する市内電話料免除)に関しては親会社のシングテルから如何なる補助も受けていないと、退任を控えたスンブコープのフィリップ・ヨー会長の最近の談話に反論した。ヨー会長は、シングネットは、シングテルと言うパトロンが無い限り、トールフリー・サービスを顧客に提供できるはずがないと語っていた。シンガポールの現行法の下、この種の補助は公正な競争を阻害するものとして禁止されている。パックネットはシングテルに対抗してトールフリー・サービスを導入後赤字に転落した。
チョン氏によるとシングネットはシングテルから提供されたサービスに対しては全額を支払っており、関係支払いの詳細はTASに提出、その審査を受けていると語った。シングネットはシングテルにトールフリー・ラインの支払いを行った後も、50%以上の増益を記録したと言う。しかしチョン氏は、トールフリー・ラインの公示価格は月額100Sドルであるとだけ語り、同社が実際にいくら支払っているかは明らかにしなかった。(ST,BT:9/30)
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