1999-09-24 ArtNo.20503
◆<星>サンライト、半導体市況の復調に乗じ新顧客物色
【シンガポール】シンガポール最大の半導体検査機器メーカーSunright Ltdは、向こう9カ月間に新顧客を獲得し、昨年失ったメイン顧客Texas Instruments Inc(TI)の穴を埋める計画だ。
サンライトは昨年7月、セル式電話用チップのトップ・メーカーTIが赤字経営のメモリ・チップ・ビジネスをMicron Technology Incに売却したのに伴い最大顧客との契約を失った。サンライトのケニス・タン重役(ED)は、同社は顧客ベースの再構築を図っており、穴は埋められると自信を表明した。新顧客は設備や検査/パッケージング・サービス等チップ関連の新たな需要を創出し、サンライトが半導体市況の回復の波に乗るのを助けてくれるはずだ。
セミコンダクター・インダストリー・アソーシエーションが先頃発表したところでは、今年7月の世界の半導体売上は、パーソナル・コンピューターや通信機器関連チップの強い需要に支えられ、115億5000万米ドルをマーク、昨年同月(US$96.8億)比19%の伸びを見た。
「半導体市況には、かなり確実な復調の兆しが見られ、その潮流に乗る機会が生じている」とタン氏は語る。しかしタン氏はTI契約の喪失で被った損失の額や、目星をつけた新顧客の社名を明らかにすることを避けた。
サンライトは2週間前、モトローラの米国拠点のオペレーション・マネージャーを務めたBob Gooch氏を世界顧客支援担当の取締役に指名した。タン氏によると、新取締役の使命は、世界顧客や米国及びアジアのプラント・マネージャーと接触し、新たなビジネス機会を探ることにある。新ビジネスはサンライトの半導体検査機器製造業務を活性化するものと期待されている。同部門の営業額に対する貢献は1年前の40%から25%に縮小した。目下同部門の設備稼働率は5分の1程度だが、新顧客は同稼働率を80~90%に高めてくれるものと見られる。
サンライトの他のビジネスには半導体チップのバーンイン業務が含まれ、目下同部門が営業額の70%に貢献している。同部門の設備稼働率は80~90%に達している。
サンライトは台湾北部に2工場を有するが、最近の地震の被害及びそのビジネスに及ぼす影響について、タン氏は、現状では電話連絡も困難で、なお状況を把握しかねていると語った。(BT:9/23)
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