1999-09-22 ArtNo.20472
◆<星>ノーテル、ネット・プロトコル企業に変身目指す
【シンガポール】カナダ拠点のノーテル・ネットワークスは、急成長するインターネット・ベースのメッセージング/コンファランシング/コミュニケーション需要に応じるため、ライバルのルーサント・テクノロジー及びシスコ・システムズ・インクとハイテク・スタートアップ企業の買収競争を展開している。
先週当地で催されたビジネスウィークCEOフォーラムに出席したノーテルのKeith Powell情報技術担当主任(CIO)及びノーテル・サウス・アジア・パシフィックのReg Bird社長が会議後地元紙に語ったところによると、今や同社のデータ通信ビジネスの営業額(US$186億)に占める比率は、2年前の7%以下から33%に拡大、残りが伝統的なボイス・トラフィック収入となっている。こうした中でノーテルは25億米ドルの研究開発(R&D)予算の60%をIP(インターネット・プロトコル)技術に投資、同領域のリーダーになることを目指している。また主要顧客の所在地でR&D支出を行う方針に基づき、アジア太平洋地域ではインド、中国、オーストラリアの顧客とR&D領域におけるパートナーシップを組んでいる。
ハイテク領域における指導権争いは、ネットワーキング・ジャイアンツ3社、ルーサント、ノーテル、シスコのスタートアップ企業買収戦を生じさせており、特にIPテレフォニー、データ・ネットワーキング、オプティカル・スイッチング領域における競争が白熱化している。
ノーテルが昨年ベイ・ネットワークスを69億米ドルで買収して以来、一連のハイテク企業の買収が行われており、ルーサントは7月にNexabit Networks Incを10億8000万米ドルで、8月にExcel Switching Corpを17億米ドルで、またXedia Corpを2億5400万米ドルで、それぞれ買収した。ノーテルはShasta Networks Incを3億4000万米ドルで買収、今月はPeriphonics Corpを4億3600万米ドルで買収する。
これに対してカリフォルニア拠点のシスコ・システムズは昨年、ネットワーキング企業を毎月1社買収すると宣言したが、過去12カ月間には同予告を上回る13社を買収、先月はCerent Corpの買収に69億米ドルの巨費を投じている。
パウエル氏は、総合サービスに必要とされる一連の技術の1つ1つを自ら開発する時間は存在せず、既存の企業を買収する他、選択の余地はないと語る。
米国の国勢調査局によれば、ウェブ・ユーザーは現在から2002年までに年率370%の成長を見、2億8200万人に達する。これに対してウェブ・アクセス装置の数は同期間に年率560%増加し、5億1500万ユニットに達する見通しだ。しかし2002年の世界人口は62億3000万人と、同期間に僅か6.6%の成長が予想されているに過ぎないと言う。(BT:9/20)
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