SEAnews 1999-09-15 ArtNo.20412

【シンガポール】シンガポールの失業率は雇用機会の拡大と解雇の減少で今年第1四半期の3.9％から第2四半期の3.3％に下降した。しかし労働省は、企業の組織再編は持続しており、取り分け電子産業部門では今後一層の人員整理が予想されると警鐘している。
労働省が13日発表した統計によれば、今年第2四半期には3350人が解雇され、上半期の解雇総数は6752人になったが、これは昨年上半期の解雇者1万4646人の半分以下となっている。
新規就業機会は第1四半期の1万6774件から第2四半期の1万9299件に拡大しており、製造業界の先行きの改善が見込まれる。また電子企業はより多くの労働者を雇用するものと見られる。
しかしディスク・ドライブ業界は値下げ競争の過熱でコスト削減圧力が高まり、事業再編を強いられている。
サービス部門は、電気通信産業の市場開放、情報技術(IT)サービス需要の増加、消費者の自信回復、新世紀到来ブームの恩恵を受ける見通しだ。
建設業の見通しは依然芳しくなく、第2四半期にも3299人分の就業機会の純減少を見ている。
景気の回復に関わらず、企業はアップグレード、再編、製造拠点の移転等を通じて競争力の維持を図るため、人員整理は引き続き行われる。こうした中で労働者がその技術をアップグレードしないなら、新たに創出された就業機会を取り逃がす恐れがある。特に2万3200人の求職者は40歳以上で、中卒以下の学歴しか備えておらず、この種のグループは最も影響を受けやすいと言う。(ST,BT,LZ:9/14)