1999-09-11 ArtNo.20366
◆<星>アジア・アーチストの谷間“マンゴー・ギャラリー・コム”
【シンガポール】旅先の風景や日常ふとしたスナップ写真をアジアのアーチストが油絵に仕立ててくれる。最寄りのパソコン(PC)でMango Gallery.com (http://www.mangogallery.com)を訪れさえすれば、後はマウス操作一つ。わざわざ航空券を予約してバンコクやバリに赴いたり、アーチストらの住所や電話番号を調べて注文する必要はない。
マンゴー・ギャラリー・コムは、韓国人の血筋を引くフィリピン系アメリカ人でシンガポールの永住権も取得したJohn Saliling氏(35)氏の発案になるもの。
Saliling氏によると、例えばニューヨークの居住者はスキャナーでPCに読み込んだ写真を転送しさえすれば、アジア・アーチストの手に成る木炭画、パステル画、あるいは油絵が6週間後には配達され、コストは僅か38米ドル。アジアのロー・コスト・レーバーとインターネットを結びつけた新ビジネスは、Saliling氏とその3人の仲間が、30万Sドルの自己資金とベンチャーキャピタルの支援を得てシンガポールに設立した新会社Similan.com Pte Ltdにより提供される。
Similan.comは、マンゴー・ギャラリーの他に、自動車から不動産まで様々な商品のオンライン・オークションの便宜を提供するウェブサイト“Surfing Bananas.com”を設けており、年末までにはディスカウント航空チケットやその他のレジャー・サービスを提供するTravelling Bananas.comを開設する予定だ。
Similan.comのシンガポーリアン・ディレクターで、Saliling氏のロンドン拠点のパートナー、Lee Yang Soon氏(44)によると、少なからぬベンチャー・キャピタル会社がSimilan.comを訪れ、資金提供を申し出ている。リー氏とSaliling氏は国際コンサルタント会社Booz Allen & Hamiltonのニューヨーク・オフィスにかつて共に勤務した元同僚。
他のパートナーはSaliling氏夫人のDebbie Jacobson女史、Similan.comのウェブ・サービス主任を務めるDarren Sng氏(30)。 つい最近までIMGアジア・オフィスのイベント・ディレクターを務めていたJacobson女史は、Similan.comのマーケッティングを担当している。スン氏は8年前に創設したネット・フォーラムを米国の出版会社Ziff-Daviesに5000Sドルで売却、Similan.comに加わった。
Similan.comはシンガポールのモハマド・スルタン・ロードに新オフィスを設けており、Saliling氏は「アジアにおけるインターネット・ビジネスは米国に比べ7年遅れているが、Similan.comのようなスタートアップ企業が離陸し、向こう5年間にEコマース・ジャイアンツに成長するには今後18カ月が勝負」と語る。(BT:9/9)
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