1999-09-08 ArtNo.20334
◆<星>政府、トゥアス・ビューにLNG輸入ターミナル用地を確保
【シンガポール】シンガポール政府は発電燃料の天然ガス依存が高まるのに伴う弱点を克服する狙いからトゥアス・ビューに30haの土地を確保、将来液化天然ガス(LNG)輸入ターミナルを設ける方針だ。
リム・スイセイ通産担当国務相が6日、埋め立て造成中のジュロン島を視察後語ったところによると、目下、シンガポールの電力の77%は石油、14%は天然ガス、残りはディーゼル油により発電されているが、石油燃料への依存を軽減するため天然ガスの利用が今後拡大される。しかしLNGの輸入ターミナルを設けるなら一層バランスのとれたエネルギー政策を確立でき、電力供給の安定を確保することができる。
シンガポールはこれまでマレーシアの生産地からパイプラインにより、直接天然ガスを輸入してきた。最近スンブコープに率いられるシンガポール企業コンソーシアムがインドネシアと結んだ20年間の天然ガス輸入契約も、西ナトゥナ諸島沖合ガス田から640キロの海底パイプラインを敷設してガスを輸入しようと言うものである。またシンガポール・パワーはインドネシアの南スマトラ産天然ガスをやはりパイプラインを通じて輸入する交渉を続けている。
これに対して、LNG方式は液化された天然ガスをタンカーで輸送するもので、世界各地からの輸入が可能になる。しかしその一方で、陸揚げ施設や再ガス化施設が必要になる。
当初はジュロン島にLNG輸入ターミナルを設けることが検討されたが、ジュロン島の限られた面積を有効利用し、同地の化学産業の発展を促す狙いから、トゥアス・ビューにターミナルを設ける方針が決まった。しかし何時建設するかは未定と言う。(BT,LZ:9/7)
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