1999-09-06 ArtNo.20316
◆<印度>MUL、国内自動車市場トップの座維持目指す4戦略立案
【ニューデリー】スズキが50%出資するMaruti Udyog Ltd(MUL)は、4戦略を立て、インド自動車市場の各カテゴリーにおけるリーダーとしての地位を維持する方針だ。
国内乗用車市場のほぼ70%のシェアを握るMULの舵取りを引き受けたJagdish Khattar新マネージング・ディレクターが先週マスコミのインタビューに応じたところによれば、これら4戦略とは、第1に新モデルのスケジュール通りの市場投入、第2にマーケッティング・ネットワークの拡大、第3に納入業者ベースの強化、第4に新たな挑戦に対応するためのトップ・ギアへのシフト。
年商8500クローのMULは、実際のところ1994年以来新モデルを全く発表して来なかったが、予想される新世紀の到来に伴う買い換えブームに備え、今年11月から3つの新モデルを相次いで発表、日増しに厳しさを強める競争環境の中でマーケット・リーダーとしての地位維持を目指す。しかしKhattar氏は新モデルを投入する具体的日時や価格を明らかにすることを避け、ボリューム・ビジネスにおいては、プロフィットは犠牲にされざるを得ないと指摘した。
スズキからの技術移転の遅れと国産部品使用率の引き上げ問題に触れ、Khattar氏は、最短期間に国産部品使用率を最大限に引き上げ、コスト削減を図るのが、MULの方針だが、100%のローカル化は規模の経済性の面から決して実際的ではないと付言した。
21世紀の最初の年に年商1万クローの達成を目指すMULは、納入業者のネットワークの強化を図っており、財政的支援も準備している。新モデルや新たな特徴を紹介する上からより強力な納入業者基盤を必要としている。このためこれらの業者の新技術やノーハウの取得を支援して行く。しかしMUL側からそのような提案を行う考えはなく、必要と認められた際にのみ、そうした支援を提供する。
またディーラー・ベースは現在の150社から今年度末までに200社に、公認サービス・センターも約1100カ所に拡張される。市場の厳しい競争環境に有効に対応する上から、MUL自体の組織再編も必要とされると言う。(IE,TH:9/4)
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