SEAnews 1999-09-01 ArtNo.20272

【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場のSan Teh Holdingは、財政逼迫を打開する狙いから中核とするキーパッド製造ビジネスを、米国拠点の電子企業ＩＴＴインダストリーズに1億1880万米ドルで売却する。
サンテーが月曜(8/30)明らかにしたところによれば、ＩＴＴは今回の契約の下、サンテーが完全出資するキーパッド・ビジネスの持ち株会社STX Pte Ltdを買収する。サンテーはまたシンガポール国内ユノス・アベニューの施設を550万ＳドルでＳＴＸに売却する。取引は今年第4四半期に完了、これによりサンテーは1億2300万Ｓドルの特別項目利益を得られ、1株当たりの純有形資産は0.62Ｓドルから1.15Ｓドルにアップする。サンテーのChuang Wen Fu重役は、向こう3年間引き続きＳＴＸのＭＤを務め、その後も無任所の取締役の座を維持する。
サンテーのキーパッド部門は昨年、税／利子込みで2200万Ｓドルの利益を上げており、これからすれば今回の取引価格の株価収益率は9倍と言うことになる。多額な取引価格と特別項目の利益に関わらず、株主らは今回の取引をそれほど歓呼しないものと予想される
サンテーはこれにより手にする資金の内、1億6700万Ｓドルは銀行ローンの返済に、1490万ＳドルはＳＴＸ関連債務の返済に、残りは運転資金に当てる。
今回の取引は、サンテーの1999年12月期の利益には影響を及ぼさないが、主要な収入源を失うことから次年度の業績には実質的な影響が生じるものと見られる。
サンテーは今後は建材の製造販売を中核にして行くとしているが、昨年は中国におけるセメント・ビジネスのスタート・アップ・コストが嵩み、キーパッド・ビジネスの利益が食われてしまった。しかし同社は今年はセメント・ビジネスの業績が改善すると予想している。
ＩＴＴは、ポンプ、その他の流体制御施設の製造やサービスを手掛け、1998年度営業額は45億米ドルを記録した。(BT,LZ:8/31)