SEAnews 1999-08-30 ArtNo.20245

【クアラルンプル】シンガポールのYeo Hiap Seng(YHS)は27日、大部分の食品／飲料製造業務を、マレーシアの上場姉妹会社Yeo Hiap Seng (Malaysia)(YHSM)に5800万Ｓドルで売却する契約を取り交わした。
ＹＨＳＭは新株4430万株、総額1億3110万Ｍドル(S$5840万)をＹＨＳに対して発行、取引の支払いに当てることから、食品／非炭酸飲料の製造業務がシンガポールからロー・コストなマレーシアに移され、ＹＨＳはＹＨＳＭを通じて間接的にこれらのビジネスを引き続き統括することになる。しかしこれに伴いシンガポール・サイドで約200人が職を失う。
ＹＨＳのLeong Horn Kee重役(MD)が記者会見の席上語ったところによれば、食品・飲料は引き続き同社の中核ビジネスで、シンガポールは研究開発(R&D)やマーケッティング／金融業務を含む営業本部の役割を務める。製造業務のマレーシアへの移転は向こう2年間に段階的に進められるが、炭酸飲料製造業務は、ペプシと長期製造委託契約を結んでいるため、組織再編の対象には含まれない。
これに伴いＹＨＳのＹＨＳＭ持分は現在の40％から60.7％に拡大するが、同社は強制公開買付義務の免除をマレーシア当局に申請する方針だ。
今回の取引はマレーシアにおける外資が関与した主要な企業再編の1つになる。フランスの食品ジャイアンツ、Danoneは目下ＹＨＳの12.45％のシェアを握っているが、前者はその持分をＹＨＳ食品ビジネスの51％に拡大するオプションを認められている。
この点についてマレーシアのラフィダ通産相は調印式の席上、同取引はプラグマチックなアプローチであると賞賛するとともに、マレーシアにおける投資を一層拡大するようＹＨＳに求めた。
YHS food and beverageのDon Gadsden社長によると、同社は向こう1年間に新製造施設に最大1億Ｍドルを投資する。今回の取引後も製造業務は当面シンガポールで行われるが、ＹＨＳＭの営業額は即座に25％拡大すると言う。(ST,BT,LZ:8/28)