1999-08-24 ArtNo.20197
◆<星>7月の国産非石油製品輸出12%アップ
【シンガポール】輸出志向型製造業を中核とするシンガポール経済の健康のバロメーター、国産非石油製品輸出は、国際的な電子産業のブームや域内経済の急速な回復に支えられ、7月には昨年同月比12%増の85億Sドルを記録、6月の7.5%を上回る一層顕著な成長を見た。3カ月移動平均で見ても7月の国産非石油製品輸出は11.5%の堅調な伸びを記録した。
こうした7月の国産非石油製品輸出の好調は、電子製品輸出の12.6%の成長に牽引された。電子製品輸出の最も大きな部分を占めるディスク・ドライブ(HDD)の輸出は、前月の7.9%の落ち込みとは対照的な6.4%のプラス成長を遂げ、16億Sドルをマークした。しかしTDBは、過去4カ月以来初のプラス成長を回復したHDD輸出が成長基調を維持できるかは、明らかでないとコメントしている。シンガポール電子産業の中でHDDに次ぐ重要部門の集積回路(IC)も20%の輸出成長を達成した。
全ての主要品目の輸出が4カ月連続プラス成長を維持、往復貿易も8.4%増の329億Sドルをマーク、連続3カ月の拡大を見た。
エコノミストやトレーダーらは、幸先の良いスタートから見て第3四半期の国内総生産(GDP)成長率が第2四半期の6.7%を上回る可能性もあると予想している。貿易開発局(TDB)のBarry Desker局長(CEO)も輸出の好調は向こう数カ月間持続すると予想した。同氏は1カ月前に今年通年の往復貿易の伸びを4~6%と予測したが、今回は同枠の頂点に近い成長率になるものと予想している。
Vickers Ballasのアナリストは、「電子産業の成長が再び脚光を浴びたが、注目すべきことは、アジア市場の力強い成長に加え、米国の需要も再び上昇に転じ、市場基盤が拡大したこと」と指摘した。
シンガポールにとって最大の輸出市場の米国向け輸出は12.2%アップ、この他、タイ向けは33%、韓国向けは53%、マレーシア向けは3.7%、それぞれ拡大した。
スタンダード&プーアMMS Internationalのアナリストは、7月には昨年2月以来初めて貿易赤字が記録され、貿易赤字がサービス輸出により相殺されるノーマルな状況が回復しれたと指摘している。
ちなみに貿易動向と工業生産の好調から、通産省は先週、今年通年のGDP成長見通しを4~5%に上方修正した。(ST,BT,LZ:8/21)
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