SEAnews 1999-08-23 ArtNo.20183

【シンガポール】世界第5位の電子製品契約製造業者ナットスチール・エレクトロニクスLtd(NEL)は、アジアにおける流通網を拡大する狙いから企業3社の買収を計画している。
ＮＥＬのディストリビューション子会社ＥＣＳコンピューターズ・アジアのTay Eng Hoe重役(MD)によると、ＮＥＬは先週、米国を拠点とする世界第2位のネットワーク機器メーカー、3Com Corpと、後者の製品をシンガポールの中小企業に販売するディストリビューション契約を結んだ。
ＮＥＬは、同社の傘下に加わり、新市場の開拓を希望するネットワーク環境に豊富な経験を有するシステム統合／リセール領域の新パートナーを物色しており、年内に少なくとも2社を買収する方針だ。これによりＮＥＬのビジネスは製造業の枠を超えて拡大、収入源の多角化が図れる。テイ氏は、買収対象の企業や買収価格については明らかにすることを避けた。
ＩＢＭやエイサーの製品の販売を手掛けるＥＣＳは昨年11月、タイとマレーシの企業2社を買収しており、今年の営業額は昨年の1億Ｓドルから1億3000万Ｓドルに拡大するものと予想している。昨年は200万Ｓドルの利益を上げ、今年上半期の営業額は6100万Ｓドルだった。
ＮＥＬはアップルが使用する全てのプリント基板(PCB)を製造、アップルとの契約が営業額の半ばを占め、ＩＢＭとの取引が同17％に達している。3Ｃｏｍとの契約は、ＮＥＬにネットワーキング市場進出の足がかりを提供する見通しだ。(ST:8/20)