1999-08-16 ArtNo.20107
◆<星>ナスダック登録のパックネットUS$56万損失で株価急落
【シンガポール】米国ナスダック登録の地元インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)、パシフィック・インターネット(パックネット)は11日、1999年6月期四半期に56万4000米ドル(S$94.047万)の純損失を報告するとともに、域内事業の積極的な拡張に伴う利益の低下は、1999年一杯、あるいは2000年まで持続する可能性があると警鐘した。
パックネットの同期の粗売上は昨年同期比17%増加したものの、ライバルのシングネットに対抗して採用した市内通話料負担スキームの付けが370万Sドルにのぼり、結局同期の営業額は3.3%減の1750万Sドルにとどまった。加えて営業支出は、セールス&マーケッティング・コスト、人件費、一般経費、管理コスト等が嵩み、前年同期の1290万Sドルから1940万Sドルに急増した。この結果税引き前に180万Sドル、税引後にほぼ100万Sドルの損失が記録された。上半期を通じて見れば、依然として180万Sドルほどの純益になる。これまでアナリストらは通年では何某かの利益が計上できると予想していたが、その実現は難しくなった。
契約者ベースは45%増の23万7502人を記録、打ち75%がシンガーポールにおけるもの。粗収入の73%はリテール、即ちダイヤル・アップ・アクセス・サービス売上で、専用回線アクセス・サービス収入は横這いとなっている。
第2四半期にはメルボルン拠点のISP、Mira Networkingとシドニー拠点のISP、Zipworldを買収、これによりオーストラリア/ニュージーランドにおける契約者ベースは6600人から1万1200人に拡大した。 香港では契約者ベース3万5600人のPacific Supernetの持分を50.1%から100%に引き上げた。一方、インドにおける合弁プロジェクトは全国ベースのインターネット・ライセンスを取得した。パックネットは、この他、韓国、日本、中国、台湾の数多くのISP及びコンテンツ・プロバイダーと提携交渉を進めていると言う。
水曜のパックネット株価はこれまで最低の20.375米ドルをマークした後、前日の終わり値を4.25米ドル下回る20.75米ドルで引けた。パックネットの株価はナスダック登録初日に公募価格17米ドルの5倍以上の88米ドルを付けた後、一時は94米ドルまで上昇したが、その後米国証券市場におけるインターネット・ブームが冷却したこともあって、きりもみ状態の値下がりを続けている。(ST,BT,LZ:8/12,13)
|