1999-08-16 ArtNo.20106
◆<星>ドイチェ・テレコム、シングテルの20%権益買収準備
【シンガポール】欧州最大の電話会社Deutsche Telekom AG(DT)がシンガポール・テレコム(シングテル)の20%の権益買収を計画しており、DTのRon Sommer会長が既にシングテルのリー・シエンヤン社長兼CEOと関係協議を行ったようだ。
フランスの通信社AFXが、ドイツの雑誌WirtschaftsWocheの報道を引用して伝えたところによれば、 リー社長は、DTの出資を得ることにより、シングテルは国際舞台における競争力を強化できると語ったと言う。
シングテル・スポークスマンは同報道を投機筋の噂に過ぎないとするとともに、リー社長はWirtschaftsWoche誌のインタビューなど受けていないと否定した。しかしDTシンガポール・オフィスの幹部は両社間で関係交渉が行われたことを確認、DTアジア太平洋業務担当のAxel Hass社長がDT側交渉団のトップを務めていると語った。
シングテルの20%の権益と言えば、50億米ドルにのぼるが、アナリストらは概して両社の提携交渉を好感している。
それによると、ブリティッシュ・テレコムとAT&Tの合併に伴いワールドパートナーズが今年末には解散されるが、シングテルは同提携が解消された後、国際舞台で如何なる戦略を採用し、その競争力を維持するのか、またスターハブが来年4月に営業を開始すれば、スターハブに出資するブリティッシュ・テレコムはシングテルに替えてスターハブを利用するものと見られ、シングテルは好収益を上げる多くのビジネスを失う恐れもある。DTとの提携はシングテルが抱えるこうした懸念材料を打開するのに役立つものと見られる。
アナリストらはDTとシングテルが、両社のアジアにおけるセル式電話資産をプールする可能性も予想している。(ST,BT,LZ:8/12,13)
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