1999-08-13 ArtNo.20092
◆<星>電子産業、国際市況回復の恩恵享受
【シンガポール】シンガポールの電子産業は今年上半期に18%の成長を遂げ、下半期にもこうした好調が持続する見通しだ。
通産省が10日発表した第2四半期の経済レポートによれば、シンガポールは昨年からスタートした世界的な電子業況回復の恩恵を引き続き享受できる見通しで、国際電子市況の活況は2001年まで持続するものと見られる。
国際電子業況の回復は域内諸国の経済復調にも貢献、こうした域内経済の復興は、シンガポール経済に積極的影響を及ぼすため、直接/間接に二重の波及効果が期待できる。
電子産業は昨年製造業生産の49%、製造業付加価値生産の43%、国産非石油製品輸出の70%近くを占め、文字通りシンガポール経済の成長の原動力になっている。昨年のシンガポール経済の落ち込みも、国際電子業況、取り分け半導体とディスク・ドライブ産業の低迷に祟られた。
半導体産業はシンガポール電子産業の主要部分を成しており、したがってシンガポールの電子業況は国際半導体市況のサイクルにほぼ同調している。昨年の国際半導体市況の低迷は、低調なディスク・ドライブ需要と相俟って、シンガポールの電子生産を3.2%落ち込ませた。
米国はシンガポール電子産業の最大の市場だが、国際半導体市況の周期は、米国の景気動向以上にシンガポール電子産業の業況を左右する要因になっている。このことは、米国経済が1997-98年の間3.9%の堅調な成長を維持したにも関わらず、シンガポールの電子産業が、国際半導体市場の推移とともに、好不況を繰り返したことからも窺える。
電子産業の先行きに関して言えば、厳しい競争環境は存在するものの、世界的な電子市況の回復で、全てのプレーヤーが手にするパイは拡大する見通しだ。世界の半導体市場は今年約13%の成長を遂げ、ディスク・ドライブの出荷も17%の伸びが見込まれている。後者はまた向こう数年間も二桁成長が続く見通しだ。加えて、パーソナル・コンピューターの需要も引き続き堅調が維持されるものと見られる。
国際電子産業の回復は、シンガポールにも既に波及効果を及ぼしており、国内半導体部門は過去数ヶ月復調している。電気通信産業についても、域内経済の回復で力強い成長が見込まれると言う。(ST,BT,LZ:8/11)
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