1999-08-11 ArtNo.20061
◆<星>政府、今年のGDP成長4-5%に上方修正:首相
【シンガポール】シンガポールの独立34周年を祝うナショナル・デー前夜の8日、ゴー・チョクトン首相は今年第2四半期の国内総生産(GDP)成長率が1997年末以来最高の6.7%に達したとするとともに、政府が今年通年の成長見通しをこれまでの0-2%から4-5%に上方修正したことを明らかにした。
恒例の全国民に対するナショナル・デー祝賀演説の中で首相が語ったところによれば、1965年の独立以来、最も深刻な経済危機を乗り越え、シンガポール経済のファンダメンタルは一層堅固なものになった。金融サービスの新たなパフォーマンス算定方式を用いて計測した上半期のGDP成長率は3.7%を記録した。
しかしシンガポールはコスト削減措置を堅持し、経済の復調を維持しなければならない。とは言え、今後引き続き経済状況が改善するなら、政府は当初予定した再来年ではなく、来年中央積立基金(CPF)雇用主負担率を復元させ、逼迫が予想される労働市場における健全な賃金レベルの維持を図る。
首相は、組織再編を進めるシンガポール拠点の企業は、コスト競争力に対する関心を益々高めており、一層の人員削減が行われる可能性があること、不透明な米国証券市場の動向、依然不確かな日本経済の先行き、さらには景気の早期回復で域内経済の構造改革が中途半端にに終われば、将来危機が再来する恐れもあること等を指摘、国民に自己満足に陥らぬよう呼びかけた。(ST,BT,LZ:8/9)
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