1999-08-10 ArtNo.20046
◆<星>ナタン元駐米大使、大統領選挙に立候補
【シンガポール】米国大使も務めた経歴を有する南洋理工大学(NTU)国防戦略研究所のS.R.Nathan所長(75)は6日、シンガポールの大統領選挙に立候補届を行った。
ナタン氏が地元紙に語ったところによれば、今年6月にリー・クアンユー上級相から次期大統領選挙への出馬を求められ、その後ウィー・キムウィー元大統領やDBS会長を務めるダナバラン元外相からも、出馬要請を受け入れるよう勧告された。国のために何事か貢献することを求められたなら、これを拒まないのが同氏の信条であり、今回もこうした信条に従った。しかし大統領選挙委員会により被選挙人資格が認められるまでは、一層のコメントはできないと言う。
ナタン氏は1924年にシンガポールに生まれ、1954年に当時シンガポールに設けられていたマラヤ大学社会学部を特優で卒業、1955年に公務員となり、医療行政に従事した。その後外務省次官補、内務省次官、国防省次官を歴任、1982年に外務省第一次官を最後に公務員を退官、1982-88年の間は、ストレート・タイムズ社の会長を務めた。1988年4月にマレーシア駐在高等弁務官に任じられ、1990年7月-1996年6月の間は米国大使を務めた。1996年にシンガポールに帰国後、巡回大使を務めると同時に南洋大学国防戦略研究所の所長を引き受けた。家庭では2人の子供の父親でもある。
一方、大統領選挙管理委員会の発表によれば、7日午後1時の締め切りまでに、ナタン氏以外に、家庭教師のOoi Boon Ewe氏(58)と野党民主進歩党元議長で保険勧誘員を務めるTan Soo Phuan氏(63)が立候補届けを行った。しかし地元紙は、ナタン氏以外の届け出人は被選挙人としての資格条件を満たしておらず、ナタン氏が無投票で当選を果たすものと見ている。大統領選挙に立候補する者は、政府や法定機関の事務次官あるいは、正味資産1億Sドル以上の民間企業の財務担当重役を少なくとも3年間務めた経験を保持せねばならない。(ST,LZ:8/7,8)
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