SEAnews 1999-07-29 ArtNo.19942

【シンガポール】世界の契約製造業者番付第5位にランクされるNatSteel Electronics (NEL)は26日、アップル・コンピューターのノートブックＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)新製品iBookの製造契約を獲得したとの噂を否定したが、同社株はこれを受けて先週の終値より20セント安の7.05Ｓドルで引けた。
ＮＥＬのChay Yee Meng財務担当重役(CFO)は、ｉＢｏｏｋ、あるいは他の如何なるノートブック・コンピューターの製造にも関与していないとするとともに、将来もノートブック製品の製造に関わらないと言う訳ではないと補足した。
アナリストは概して同ニュースに冷淡で、某外国証券会社のアナリストは、「ノートブックの製造は元々大きなボリュームではないことから、ＮＥＬが関係契約を手にすることができなかったからと言って懸念すべきことではなく、ＮＥＬにとってネガティブな材料でもない」とコメントした。
アップルは台湾の契約製造業者GVC CorpにｉＢｏｏｋの製造を委託したもようで、先週金曜同社は傘下のAlpha Top CorpがｉＢｏｏｋの製造を手掛け、アルファー・トップの今年の売上はこれにより昨年の60億台湾元から110億台湾元(S$5.777億)に拡大するだろうと発表した。
同ステートメントから見て約10万台のｉＢｏｏｋが製造される見通しだが、アップルは最近の四半期だけでｉＭａｃ50万台を出荷しており、ノートブックはほんの破片に過ぎないと、アナリストらは指摘する。
ＮＥＬはｉＭａｃと法人向けＧ3コンピューターのマザーボードの製造を引き受けているが、リスク・マネージメントの上からもこれ以上アップルとの契約に依存するのは決して好ましいことではないとする向きもある。
また別のアナリストは「ＮＥＬが優秀なノートブック・コンピューターの契約製造業者などと言う話は聞いたことが無く、ノートブックの製造なら台湾業者を選ぶのが妥当」とコメントした。(BT:7/27)